Look for my way ~自分だけの道を探して~(現在受験中)

基本的には普通の高校生でたまに小説を書いたりする僕が、日々の生活を振り返って、嬉しかったことや心に残ったことを忘れないようにしようと思ってこのブログを書いているんだ。つまらないかもしれないけど、もしよかったら見ていってほしい。


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2008年度クリスマス小説

2008-12-26-Fri-00:58
読む前に注意書き

今回の小説は非常に痛い表現を含んでいます。
中二病的な格好つけた表現を嫌う方は速やかに回れ右をして他のサイトへ飛んでください。
「仕方がねぇな、下手で恥ずかしそうな文章だけど暇だしよんでやるよ!」という方だけに見てもらえればうれしいです。
また、約3万文字近くとかなりの量になっているため、時間的に余裕があるときのみ読むことをお勧めします。
それでは、始めます。






今日は12月24日。
今年もクリスマスがやってきた。
正確にはクリスマス・イブなのだがそこはあまり深く考えてはいけない。
家族と、あるいは恋人や友人達と過ごす人が多数を占めるこの日に、一人カニングシティーの裏路地にポツンとしている者がいた。
彼の名は額良といった。

「…去年のリュウ(前回のクリスマス小説の主人公)の気持ちがよくわかるなぁ…。一人は寒さが身にしみるなぁ…」

額良はしみじみと独り言をつぶやく。
彼はついさっきまではカップルや友達グループでにぎわう大通りにいたのだが、一人の辛さに耐えきれなくなり、裏路地に避難してきたところだった。

「……このままぼーっとしててもつまらないしなぁ…。よし、決めた!」

額良はいきなり立ち上がると大きく伸びをした。

「とにかく、友人のところに押しかけてみるとするか。どうせ暇だし、うじうじしてても仕方ないしな。何? 空気読め? 知らないな、男は何でも試してみるもんだぜ。きっと楽しいぜ」

某ガチムチマンガの阿部さんの言葉よろしく開き直った彼は意気揚々と歩き…いや、走り出した。




「で、私たちのところに来た…というわけですか、額良」

「まぁ、そういうわけだ」

「…はぁ」

黒い長髪の青年が顔を押さえてため息をつく。

「まぁまぁ、いいじゃないですか。人は多いほうが楽しいですよぉ。」

隣にいた栗色の長い髪を持つ少女がため息をつく少年をなだめる。

「ほら、キラ。萌香さんもそう言ってるじゃないか」

「本当にあなたはもう…」

黒髪長髪の少年がキラ、栗色の長い髪の毛の少女は萌香というらしい。
一番最初に額良が押し掛けたのはこの二人の元だった。

「まぁまぁ、減るもんじゃないし僕にも君らと一緒にクリスマスを満喫させてくれよ」

「いや、時間は減りますよ。それに去年もそんな感じで私たちに押しかけてきませんでしたっけ?」

「あはは、そうでしたよねぇ~」

「あ、あれ? そうだっけ?」

(去年は…押しかけたはいいけど、ずっと萌香さんに追いかけられていたような…。)

額良の脳裏に去年のクリスマスの映像が浮かぶ。
それは、茶化しすぎて切れてしまった萌香にジェネシスを放たれながら追いかけられる映像だった。
思わず、額良の身に身震いが走る。

「あれ? どうしたんですか額良さん?」

萌香が笑顔で身震いしている額良に聞いてくる。
いや、彼女はいつも笑顔なのだが、今の額良には恐怖の対象にして見えていた。

「い、いやなんでもないよあはは。それはそうとキラ、そういうわけで今年もよろしくな!」

「な!、じゃないですよ、というか今年は勘弁してください」

キラは拒否の姿勢を示す。
そんなキラに対して頬をふくらまして萌香は言った。

「なんでそんなに嫌がるんですか~? 額良さんがかわいそうですよ~」

そしてキラは頬をふくらましている萌香に対して言った。

「だって、去年も一昨年も私はあなたと二人きりのクリスマスを過ごせてないんですよ? 私だって男です。好きな人と二人きりで過ごしたいと思うのは当然じゃないですか」

聞いてるこっちが恥ずかしくなるようなことを平然と言うキラ。
その言葉を聞いて、萌香は急に赤くなった。

「…ぁぅ。そう…ですよねぇ~…」

そしてそれきり顔を赤くしたままうつむいてしまった。

「まぁ、そういうわけですから、今年くらいは二人きりにしてください。お願いします」

「え…そういわz」

「 お 願 い し ま す ね ? 」

キラは笑顔を浮かべてお願いしている。
だが、顔は笑っていても目は笑っていない。
ある意味では怒気ともいえるものを含んだキラに、額良は圧倒されてしまった。

「……あーわかった、よーくわかった」

「わかっていただければいいのです。それじゃあ萌香さん、行きましょうか」

「は、はい! それじゃあ額良さん、申し訳ありませんが失礼しますね。良いクリスマスを」

二人はそう言って手をつないでいってしまった。
また一人ポツンと取り残された額良に冷たい風が吹く。

「…ふん、別に、全然うらやましくなんてないからな。うん、断じて」

本当にうらやましくないやつはそんなセリフを吐かないという突っ込みは、今の額良には届かない。

「…ま、僕の人脈は広いし、まだまだ友人はいるしな。次行ってみようか、次」


額良は気を取り直して次なる標的の元へと走り出すのだった。





クリスマスムード漂うのはビクトリア大陸だけではなく、ルディブイアムも同じことだった。
もはや、世界中が浮かれているといっても過言ではないだろう。
そして、ルディブリアムの空き家の一室は、あるギルドのメンバーたちでにぎわっていた。彼らのギルドの名は「ナイトオブダウン」。額良の知り合いであるルーグがギルドマスターを務めていた。


「と、いうわけでやってまいりました。ナイトオブダウン主催のクリスマスパーティ。皆、今夜は日頃の嫌なことは忘れて大いに飲み明かそうじゃないか!」

どうやらこのギルドではクリスマスパーティーをやるらしく、ギルドマスターのルーグが司会進行をやっていた。
各々に用意された食べ物や飲み物を食べ始めるメンバー達、その数約百人。

「あう~…なんか頭がもやっとする~…」

「未成年のくせにお酒なんて飲むから…」

「だって、クイナさんとルーグさんががジュースだって…」

中には、酔ってしまった少女を介抱する少年もいた。
介抱している少年の名は博、お酒を飲んで酔ってしまっている少女の名はミーナというようだ。

「付き合い始めてもう3ヶ月ですか…月日がたつのって早いですね、博さん」

「そういえば、そうだね」

「いろんなことがありましたねぇ…」

唐突にそう言われて博は思い出す。
付き合い始めて最初の頃、武器庫に遊びに行った時ミーナが死にそうなのを助けたこと。
少しミーナのレベルが上がって、リプレ方面に狩りに行った時、博の支援に必死で自分の回復を忘れていたミーナを助けたこと。
4時転職して間もなく、今度はギルドでジャクムに行った時、味方の回復に夢中で周りが見えてなかったミーナを助けたこと。

(…あれ、なんかミーナを助けた記憶しかないんだけど…)

博はよくよく考えたらそんな感じの記憶しかないことに気がついた。

「あの…話聞いてます?どうしました? 博さん?」

微妙な表情をしている博に、ミーナが不安そうな目で問いかける。

「ああ、すまない聞いてなかった。」

「考え事ですか?」

「いや、大したことじゃないよ」

「そうですか、ならいいんですが…。」

「それはそうと、何か話したいことがあったんじゃないの?」

博は説明するのも面倒なので話を置き換えることにした。

「あ、えと…その…ですね。もしよかったらパーティーが終わった後、私の家で飲みませんか? 」

「え?」

「あ、あの、べ、別に他意はないですよ?」

(いや、他意がなければ普通自分の家に誘ったりしないし、そんなに挙動不審になんないでしょ…普通…。てか、よってる癖にこの後まだ飲む気なのか?)

そう思いつつも、博の中では理性と心の奥底にある想いが闘っていた。
つまり、迷っていたのだ、行くか行くまいかを。

博が迷っている間、ミーナは頬を染めてこっちを見上げてただ返事を待っている

(…前々から思ってたことではあるが。本当にかわいいよな、ミーナは。もちろんそんなこと口が裂けても絶対に言わないけどさ)

博は自分の目の前でただ返事を待つミーナを見て思った。
そうして、しばらく見つめ合っていた二人だったが。

「おい、少年。いつまでもフリーズしていると彼女に恥をかかせてしまうぞ」

いつの間にかパーティーに入り込んでいた額良によってその沈黙は遮られた。

「うわ!?ルーグ!?いつの間に…?」(注)額良とルーグは髪型も目の位置も同じなので似ています。

「いや、僕はルーグじゃなくて額良。とまぁそんな話は置いておいて、ルーグがどこにるかしらないかい?教えてもらえるとうれしいんだが」

「ん?僕ならここにいるぞ?」

どこからわき出たのか、いつの間にか額良の後ろにいたルーグ。

「あ、あれれ~…? ルーグさんが二人…」

すでに酔ってしまっているミーナにはどっちがどっちなのかわからない様子だった。
そんなミーナはさておき、ルーグは額良に話しかけた。

「やぁ兄弟、久しぶりじゃないか。どうしたこんなところで?」

「いやね、せっかくのクリスマスだというのに今年はたまたま暇になってしまったのさ。
もしよければ僕もパーティーに混ぜてはもらえないかい?」

「いいぞ、大歓迎だ。んじゃあ、とりあえず飲むとするか!おい博、君も付き合え!」

「え、ちょ…待っ…」

無理やり参加させられる博。

「あ~博さんが飲むなら私も~」

さらに、ミーナも加わろうとした。

「お、いいね君。とりあえず一杯」

「は~い、いただきま~す」

額良がミーナにお酒がなみなみと入ったグラスを渡した。
そしてミーナは渡されたグラスを口につけると一気に飲み干してしまった。

「ちょ…いきなり現れたそこのあんた何してんの!? しかもそのお酒は結構アルコール度が高いやつじゃ…」

博が止めようとするもすでにミーナは飲み干してしまった。
額良とルーグもそれに続くように飲んでいる。

「あれれ~?博さ~ん。すご~く体が熱いんですけど~…」

「あ~あ~…何やってんのミーナ…」

目がマンガでよくあるようなナルトみたいになってしまったミーナに博が近づく。

「そうかそうか、熱いのか、ならここで脱ぐんだ!」

「ちょ、ルーグ!? あんた何言ってんの!?」

「いや、ルーグそれは僕もまずいと思うぞおい」

「お酒を飲ましたのもあんただろ!!」

「はぁ~い」

「ミーナもやめろおおおおおおお!!!」

博が服を脱ごうとするミーナを急いで止めようとするが、ルーグが後ろからがっしりとはがいじめにして止めた。

「うお!? 何をするルーグ、早く止めさせないと」

「男のロマン、つぶさせてなるものか!!」

「いや、男のロマンとかわけわから…ん…?」

博はルーグを見て、かなり顔が赤いことに気がついた

(…酒一杯でもう酔ってる!?)

自分でもさすがにそれはないぞなどと思いながらも、博は必死ではがいじめから抜け出そうとする。
だが、抜けられない。

「えっと…いきなり現れたそこの人! 頼むからミーナを止めてくれ!!」

「いや、止めろって言われてもどうしたらいいか僕にはわからないんだが…」

額良もどうにかして止めたかったが、こういう時どうしたらいいかまったくわからなかったので、おろおろして動けないでいた。

そうしている間にもすでにミーナは外套を脱いでしまっていた。
このままでは、すべて脱いでしまうのも時間の問題だった。

(…くっそおおおおおおおおお!!!)

もうだめなのか、と博が思ったその時だった。

「てめぇこのルーグ!!!!! お前はま~たミーナに何をしてやがる!」

鬼の形相でこっちに向かってくる女性がいた。

「あ、クイナさん!」

「おう、博。なんだかよくわからねぇけど俺が助けてやるぜ!!」

そういって走ったまま拳に力をため始めるクイナ。
そして、勢いそのまま額良に向かっていった。

「ちょ…その人はルーグさんじゃな―――」

博の言葉はクイナに届くことはなく、彼女はそのまま拳を額良に突き出した。

「え――――」

普段ならよけれる額良だったが、状況が状況だったせいでもろに食らってしまった。
慣性の法則のまま吹っ飛んでいく額良。
そして壁にぶつかったが勢いは止まることなく、そのまま屋根を突き抜けてしまった

「僕は何もしてないのにいいいいいいいいいいいいいいいいいい!?」

そう叫びながら、どこかへ飛んで行ってしまった。
哀れ、額良。
いや、酒を飲ませたのは彼だから自業自得と言えないでもないが。


一方、博はクイナの鬼の形相に怖がったルーグの一瞬のすきをついてはがいじめを脱出し、ミーナの脱衣を阻止していた。
そしていまや、すやすやと眠っている彼女をおんぶしながら、博はつぶやいた。


「…結局なんだったんだろう、あの人…」

だが、それに答えるものは誰もいない。
そしてふとルーグに目をやるとクイナにボロボロにされている。
クイナは「何であたしがいるのにそうやってほかの女に」だとか「ちったぁあたしをみろ」だとか、そんなような言葉を吐きながらルーグを痛めつけている。
よく見ると顔が真っ赤だ、彼女もどうやら酔っているらしい。
周りのメンバー達にとっては見慣れた光景のようで、誰もルーグを助けようとする者はいなかった。
もっとも、怒りモードのクイナに対抗できる人も、このギルドに存在するとは思えないのだが。

「…むにゃ…博…さぁん……今年も…一緒…すぅ……」

幸せそうに眠るミーナがつぶやいた言葉に、わずかながら博は頬を染める。

「寝ごとでまで恥ずかしいセリフを言うなよ……ふぅ、仕方がない。起きるまで一緒にいてあげようかな」

そう言って、とりあえずミーナを家に送ろうと歩き出す博であった。




さて、クイナによって吹っ飛ばされた額良はまだ空中にいた。

「…どこまで飛ばされちゃうんだろうなぁ…。てか、どう考えてもこの扱いは理不尽すぎると思わないか!?」

彼は誰に話しているのだろうか?
なにはともあれ、かれこれ五分間くらいは彼はこうしている。


そろそろ上がるばかりだった高度も下がってきた。
どうやらそろそろ本気でどうすれば死なないか考えなければならないらしい。
額良は怖くてつぶっていた目をとりあえず空けた。
目に入ってきた光景は海。
額良は思った。とりあえずは死ないですみそうだ、と。
彼は腕を伸ばし、体をなるべくまっすぐにするとそのまま海へと落ちて行った。






















「前言撤回、やっぱ死ぬよこれ」

額良はコールドシャクラーに囲まれていた。
彼らはスキル消しの能力を持っているため、額良の持つ攻撃補助スキル「シャドーパートナー」が打ち消されてしまい、包囲を突破することができないのだ。

「あ~…コールドシャクラーにもクリスマスがあるのかねぇ…。ならさしずめ僕はクリスマスのごちそうってやつか」

額良は半ばあきらめ、愚痴りながら、すでにやけくそになっていた。
そして、額良の放つ手裏剣の弾幕からうまく抜け出した一匹が額良に襲いかかった。

(あ、だめだこれ。間に合わない)

額良は自分に近づいてくる大きな牙を見つめることしかできなかった。

「あきらめるのはまだ早いんじゃない?」

どこからかそんな声がしたかと思うと、コールドシャクラー達に大量の手裏剣が降り注いだ。
あるものは一撃で絶命し、あるものは切り傷から毒のようなものが入ったのか、泡を吹いて死んでいる。

「この技…もしかして」

「やぁむっつり。助けにきたよ」

さっそうと赤い瞳をした青年が現れた。

「アキト!! だめだ、こいつらはスキル解除を持って――」

「スキル解除?それがどうしたぁぁぁぁぁ!!」

雄たけびをあげて紳士服ともスーツともいえる服を着た男がコールドシャクラーの群れに突っ込む。
そして次々にその持っていた斧で一刀両断にしていった。
次々と数を減らしていくコールドシャクラー。

「コンエーロ額良さん、私もいるよ。たくん、アキトさん、額良さんを連れて下がって! 食らいなさい『ジェネシス』!!」

少し遠くに黒いレザーコートで全身を覆った赤毛の長い髪をした女性が現れ、呪文を唱えた。

「ほら、こっちだむっつり」

「額さん、しっかりつかまってろよ」

フラフラだった額良は二人に肩を持たれて下がらされた。
そして、下がった次の瞬間にはさっきまで額良がいた場所を極太の光線が何本も落ちた。
コールドシャクラー達は断末魔を上げる間もなく粉も残らないくらいに滅された。

「ふぅ…相変わらず姉さんのジェネシスはすごいですよね」

「強すぎ吹いた」

「ヤハーン、うれしいこと言ってくれるじゃないの/// や ら な い か 」

「黒さん激しそうなので断る」

「ボクもいいや、体力がついていけなそうだし」

それぞれに軽口を叩きあう三人。
そんな彼らに額良は言った。

「シャオさ…いや、姉さんとアキト、それにタークスさんも…三人ともどうしてここに…? 今日はアクアリウムでギルドイベントじゃ」

「いやね、そうだったんだけど、アキトさんが海に落ちる額良さんを見つけたらしくてさ」

「で、たぶんここら辺に落ちただろうから下手したら死ぬなーと思って、姉さんと斧戦士最強のたーさんを呼んで助けにきた。ナイスだろ、感謝しろむっつり」

そう言うとアキトは親指を立てて笑った。

「そういえば、なんで額良さんはこんなところに一人でいるんだ? 今日はクリスマスなのに」

タークスがさも当然のように聞く。

「それは話せば長いことなんだが…」

額良は今にいたるまでの経緯を二人に話した。

「ふむ、つまるところ気がついたら周りはみんな予定はいってて、んでクリスマスを一人で過ごすのはつまんないからいろんなところに押しかけた結果、ここまで吹っ飛ばされた、と」

アキトが額良の話を要約する。

「まぁ、そうなる」

「ある意味自業自得じゃね…? いや、かわいそうといえなくもないけどさ…」

「…反論できない」

額良はアキトにピシャリといわれてうなだれた。

「大変だったね、額良さん」

うなだれる額良をシャオが慰める。

「いや…これも元々僕に人徳がないからアキトの言う通り自業自得なんですよ…。それに、周りの人が楽しそうにしているのを見てて、嫉妬しちゃった僕も悪いと思ってますし」

ポツリポツリと自分の心の内を話す額良。
だが、そんな額良を見ていてアキはが言った。

「むっつり、ちょっとそれは違うと思うぞ」

「え?」

アキトの言葉を額良は顔をあげて聞く。

「あのな、今年むっつりがさびしい思いをしてるのは単にむっつりに計画性がなかっただけ。てか、ぶっちゃけ人徳があるなしにかかわらずクリスマスに一人のやつは一人だろ。それこそ彼女でも居ない限りはさ。ボクはたまたまギルドのイベントに呼ばれたから一人じゃないけど、下手したらむっつりと同じ立場だったと思うぞ?
てか、クリスマスの過ごし方なんて人それぞれじゃん、むしろ適当などうでもいい人とワイワイするよか一人でいたほうがずっといいぜボクの場合。
あと、嫉妬する感情についてはあまり気にするな。普通の人は他人が楽しそうにしてると嫉妬するのが当たり前。人間ってそんなもん」

「そうそう、私も他のカップルとかカップルとかカップルがいちゃついてたらその男を襲いたくなるしねミ☆」

「黒さん、それ嫉妬っていうか欲情に近いと思われ」

「ヤハーン、たくんそんなことないわよ///」

「…そっか」

少しだけ救われた気持ちになる額良。
そして、タークスは額良の肩をポンと叩くと言った。

「まだクリスマスの夜は終わってないぞ。もしかしたら額さんにこれから会いに来る人もいるかもしれないぜ?」

「はは、まさか。でもありがとう三人とも。少し楽になった」

額良は力なく笑った。
そんな額良にシャオは言った。

「いやいやお礼なんて///、額良さんさえよければ私とこれから大人でアーッな夜を過ごしてみる? 私としては大歓迎よむしろ手とり腰とりいろいろ教えてあg」

「じゃ、姉さんが暴走し始めてるからボク達はそろそろ行くね。むっつりをギルドイベントに誘ってあげてもいいんだけど、たぶんレベルが高すぎて(いろんな意味で)付いていけないと思うからさ」

「おう、またな額さん。いいクリスマスをな」

アキトとタークスは苦笑いしながら、シャオを引きずって歩き始めた。

「ヤハーン、二人とも強引/// でも乱暴なのも嫌いじゃな…」

「姉さん、サンプル飲ませてあげようか?」

「okだアキト、口は俺がこじ開けよう」

二人とも黒い笑顔でシャオを見る。
ふとアキトの手を見るとそこには不気味に泡立つ液体が入った瓶が握られていた。

「ヤ、ヤハーン、冗談に決まってるじゃないのやだなぁ二人とも////」

乾いた笑いをしつつ、弁解するシャオ。

「「ならいいんだ(です)」」

アキトはそのままシャオをずるずる引きずりながら歩いて行った。


「人それぞれの過ごし方…か。確かにそうだよな。
さて、僕もバカばっかりやってないでカニングに戻ってみるとするかな」

額良はそう言ってイチゴ牛乳を取り出し、ワープしていった。


すでに額良がいなくなったのを確認したアキトはひとり呟いた。

「そう、過ごし方なんていろいろさ。そして、君は気が付いてないかもしれないけど、意外と人って一人にはならないもんなんだぜ」

「あら、アキトさん珍しくかっこいい言葉を…惚れちゃうわ///」

「…ターさん」

「あいよ」

「いやちょっとまって冗談よやめて私が悪かったごめんなさいちょっとまってその瓶を近付けるのやめてお姉さんそういう強引なプレイ好きじゃないのよってそうじゃなくってそれ私に飲ませないdひゃふんほひゃのむからひゃめアッーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

深い深い海の底で、一人の女性の断末魔が鳴り響いた。











「と、いうわけで帰ってきたわけだが、さてどうすっかな」

額良は再びカニングシティにいた。
表通りは人でにぎわっている。
数時間前には言葉では表せられないほど小憎らしかったが、今はアキトに諭されたせいかあまり気にならないようだった。

(ふむ…グルクエ場あたりにいる初心者たちのレベル上げの手伝いでもしてこようかな…)

そんなことを思いながら歩いている額良は歩いていた。

「お、額良じゃん、元気か?」

後ろから声をかけられた。
振る帰るとそこには頭にヘッドホンをかけた青髪の少年がいた。

「おお、セルナじゃないか、元気にしてたか? 最近調子はどうだ?」

「おう、まぁ可もなく不可もなくってとこか。ところで額良、この時間帯になんでこんなところでフラフラしてんだ? 誰かと一緒にすごさねぇのか?」

「いや、僕はちょっとあれでね、今夜はひとりなんだ。そういう君は?」

「俺?俺はね~あれだ」

セルナが指をさした方向を見ると、そこには大きなポスターが貼ってあった。

『DJセルナの俺ラジオ、本日生放送!』

「…君、いつからDJになったんだ…?」

「つい1ヶ月前だ。友と一緒に催したちょっとした集まりでDJのまねごとを担当してたらスカウトされた」

「まじか…」

確かに、彼はDJに向いているのかも知れない。
面白いし、誰とでも仲良くやれるし、イケメンでありながらも詩人だ。
DJに向いている要素が何なのかはよくわからないが、他人を楽しませることは彼なら大いに出来ると額良は思った。
セルナは照れているのか頭をかきながら話を続ける。

「つったって、まだ駆け出しなんだけどな。ただ、妙にうまくいっちまってよ、そういうわけで今日はこれから公開生ラジオをやることになったんだ。まぁ見に来いとはいわねぇが、もしよかったら聞いてくれよ」

「うん、わかった」

「それじゃな、そろそろスタンバっておかないと本番に送れちまうんでな。今度また暇ができたら一緒に狩りにでも行こうぜ!」

セルナは軽くウインクするとそのまま行ってしまった。

「…すごいな…あいつ。帰ったら聞いてやるか…」

額良は友人の出世(?)を心から喜んびつつ、家路へとつこうとした。

「あ、リィちゃあれ額ちゃう?」

「ぁ、本当だ。額ぢゃん。ぉーぃ額ー」

「ん?」

額良がまた振り向くと、今度は二人の女性がいた。

「ああ、ナツキとリィじゃないか」

「おっす!!!!!」

ナツキと呼ばれたちょっと茶色っぽくて長く密度のある髪をした少女は元気にあいさつをしながら額良に続いていく。
一緒にいたリィと呼ばれた紫の短髪の少女もそれに続く。

「こんな遅くにどうしたの? クリスマスの買い物かな?」

二人の女性はそれぞれに大きめの紙袋を持っている。

「そうやで、これからみんなで騒ぐゆうてるからたくさん食べ物とか買わなあかんてリィちゃがいうからついてきたんや」

「ぢゃ、そぅぃぅことで額も手伝ぇ」

「え、でも僕はお金持ってないんだが」

「男なんだから荷物持ちょろ!」

「え~…」

「額、頼むわぁ」

「うん、任せろナツキ」

「ちょ、なんでナツキチャのには素直に従うの?」

「いや、何となく」

「…」

無言でリィがカカトで額の足を踏む。
額良の足に激痛が走り、彼は思わずその場でかがみこんでしまった。

「どないしたん、額?」

心配そうにかがんだ額良に目線を合わせるナツキ。

「い、いや…なんでもない」
(これ以上何か言うと、次は足を踏まれるだけじゃ済まなくなりそうだしな)

額良は何事もなかったかのように立ち上がった。

「で、何を買いに行くんだ? とりあえず、買い物には付き合うよ」

「えっとね…七面鳥と乾杯用のシャンパンとグラタンとシュトーレーゼンとクリスマスケーキと…」

ナツキは手元にある買い物メモと思しきものを読み上げる。

「ちょっとまて、それ全部僕が持つのか?」

「うん♪」

「当然b」

二人とも親指を突き出している。
これは流行っているのだろうか。

「やれやれ」

額良は観念したかのように溜息をつくと彼女らの買い物についていった。










「…重すぎでしょ…これ…」

額良は自分の背丈の3倍はあるであろう荷物をバランスをとりつつ持っていた。
それでも自分だけでは足りず、シャドーパートナーも出現させて手伝わせていた。

「な、ナツキ、リィ、あとの買うものは?」

「これで全部みたいや」

「ぅん、大丈夫っぽぃ」

「じゃああとは君たちの騒ぎの会場に行けばすべてokだね」

そう言ってる間も、額良は荷物を落とさないようにバランスをとり続ける。
ナツキとリィは二人してあれやこれやと女同士の話に花を咲かせている。
パーティーで何をするだとか、彼氏と一緒に夜を過ごすとか、そう言った類の話が時節額良の耳に届いた。
楽しそうでうらやましい、と額良は思った。
だが、楽しそうで微笑ましい、とも思っていた。


「今日はぁりがとぅね。なんか半ば押し付け気味になっちゃったヶど」

「ほんまやな、ありがとな額。重いやろ?」

唐突に二人が額良に話しかけてくる。

「いやいや、僕も特に何も予定なかったから全然かまわないさ。あのままだと今日はこのまま帰って寝るだけだったしね」。

「え?額何もないん?」

「てっきり彼女の一人とでもランデヴーかと思った」

「…な~んか失礼な言葉が聞こえるけど僕は大人だからスルーするぞ? …まぁ、あれだ、早めに他の人を誘わなかったから、今年はフリーになってしまったのさ」

「ふ~ん…」

リィが何やら考え事を始める。

「ぢゃあさ、額もぁたし達のに来れば?」

「そうや!額も来たほうが絶対楽しいねん!」

「ふむ…」

額良は素直にうれしいと思った。
アキトと会う前の額良なら、ここでは確実に二つ返事で行くと答えただろう。
だが、先程の話を聞いていると、二人とも自分の相方とのクリスマスを楽しみにしていた。
そんな中に入っていったら、自分はきっと水を差してしまうと彼は思った。
別に、可哀そうだから誘ってくれた、とは思わない。
二人とも、たぶん本当に他意はないだろう。
昔からの付き合いで、彼女たちはそう言うことはほんとにしないと彼には分っていた。
自分が行ったところで、それはそれで彼女たちはパーティーを楽しむだろう。
額良がきたせいで…などというような輩もたぶん彼女らのグループの中にはいない。
それでも

「いや、僕はやめておくよ。ちょっと今日は調子が悪いんだ」

額良は、断ることにした。
ほんの数時間前までの自分と非常に矛盾しているのは彼にも分かっている。
だけど、二人の優しさに付け込むようなことは絶対にしたくないと思った結果だった。

「そっかぁ、残念やね」

「調子が悪いんぢゃ仕方がないね」

額良の返答を聞くと二人は残念そうな顔をして口ぐちに言った。
そうしているうちに、彼女らの騒ぎの会場に到着した。

「じゃ、僕はこれで」

そう言うが早いか、額良はフラッシュジャンプで急いで会場を離れた。
早く離れないと楽しそうな雰囲気にのまれて自分で決めたことを、自分で守れなくなると思ったからだった。

「額…嘘つくの下手すぎやで…」

「毎回思うんだけどさ…額は他人に気を遣いすぎだよね」

ナツキとリィは何となく物悲しそうな目で、そんな額良を見送っていた。














「…さて、かっこつけて出てきたはいいけど、ここ…どこだ?」

とりあえずあの場から離れることだけを考えて飛んでいた額良は、自分がいつの間にか見知らぬ場所にいることに気がついた。
だいぶ飛んできたからな…たぶん、五キロは飛んできただろう。

「あ~、どうしよっかな」

本当にどうしようか迷いながら歩いていると、人が集まっているのが見えてきた。
道を聞こうと思って近づいてみると、何やら話し声が聞こえてきた。

「これをカニングのラジオ局のてっぺんに仕掛けるんだ。」

「そうすりゃ、付近の人々は病気で全滅、建物だけが残るって寸法か」

「聖なる夜に不埒なことばかりしているカップルなどの汚れた連中を、これで殲滅してやるのだ」


額良は物陰に隠れて話を聞いている。
何かを仕掛けるだの人々が全滅だの彼にはよくわからなかったがかなりやばい話であることはだけはわかった。

(早く、誰かに知らせないと)

額良はそう思い、この場所の位置を確認してカニングにある自警団に知らせようと思った。
しかし

「なにはともあれ、そこにいるネズミをまずは片づけなくてはな」

彼らのうちの誰かの声が聞こえると一斉に、こちらを見るのを感じた。
額良はなりふり構わず逃げ出した。

後ろから足の速いものが追ってくる。
何本もの手裏剣も飛んでくる。
それらをよけつつ、額良は必死で逃げた。

(くっそー…今日は本当に厄日だ…てかこれなんてマンガ!? ほのぼのから一転して死と隣合わせの世界って何!?)

額良は必死で逃げつつ今の状況を呪った。
そのうち、一人に追いつかれてしまう。

「く、『トリプルスロー』!」

額良が同時に3枚の手裏剣を投げる。
だが、相手はどうやらシーフ系のようで、手裏剣をよけた。
元々相手を殺す気のない額良の攻撃は、相手にとっては非常によけやすいものだったのである。
そして相手は接近してナイフを額良の心臓めがけて突き刺した。
額良はとっさのところで体をひねってよけようとしたが、左型にナイフが刺さる。
肉が避け、骨が削れる激痛が額良を襲う。
せめてもの報いに額良は相手を蹴り飛ばしたが、バランスが崩れた彼の体はそのままカニングの裏路地にたたきつけられた。

「ガッ…」

全身強打で意識がもうろうとする。
だが、ここで倒れるわけにはいかない。
倒れれば…死ぬ。
ふらふらになりながらも額良は立ち上がるが、すでに彼は囲まれていた。
リーダーらしき長身の鋭い眼をした人物がこっちに歩みよってくる。

「お前達は誰だ…いや、お前達はなんだ!? 何をしようとしている!?」

もはやお決まりのセリフを吐く額良。
だが、この状況でそれをするなと言うほうが酷な話である。

「ほう…最初に出てくる言葉が命乞いではなくそれか、なかなか骨のありそうなやつだな。」

リーダー格の男は感心したようにうなずくと話し始めた。

「吾輩の名はオズマだ。我々はギルド「クリネス」構成員400人程度から成る集団だ。このクリスマスという聖なる日に不埒なことをする輩どもを粛正するのが目的だ」

オズマと名乗るその男は聞かれたことをすんなりと教えた。

(ま~た話が大きくなったな…聖なる日に粛清?こいつら何かのオカルト宗教集団か…?)

額良は必至で頭を回転させる。

「ふむ、どうやら吾輩がすんなりと話したのでどうやら疑っているようだな。安心しろ少年。私はお前を仲間に迎えようと思っているのだ。」

「…なんだと?」

額良はオズマを睨む。
だが、オズマはそれを気にせず話を続けた。

「クリスマスとは、本来神の誕生を祝う日だ。だというのに現在では何かと騒ぐ口実として利用され、若者たちの不埒な行為で汚されてしまっている。我々神に仕える者としては、この上なく屈辱なのだよ」

「…」

「ゆえに、我々はすべてのクリスマスを軽んずる輩を粛正する。見よ、これを」

そう言って持っていたスーツケースの中から試験管のようなものを取り出す。

「これはある菌でな、この菌は皮膚、鼻腔、口、目、ありとあらゆる人間の器官から侵入し、ある一定の人物を崇拝するように脳を支配する。これを今人々でにぎわっているカニングの一番高い所から散布すれば、どうなるかな?」

「…そんなことしたら、お前たちもその菌に感染するぞ」

「我々はすでに抗体を体に作ってあるから大丈夫なのだよ」

「…お前たちはそんなもので何をするつもりだ、まさか、世界征服とか幼稚なことを考えてるんじゃないだろうね?」

「我々が考えているのはそんなチャチなことではない。人々に忘れさられた信仰心を、もう一度、我々の手で人々に植え付けてやろうというのだよ」

まるでどこかの誰かが描いたチャチな狭い思想の物語に出てくるような話を、本気でするオズマ。

「少年、お前も見ただろうこの腐ったクリスマスを。人と人が意味もなくじゃれあい、何のための日かを忘れ、日ごろのうっぷんを晴らすかのように騒ぐ醜い人々を」

「…」

「少年よ、吾輩は我々にこのように殺されかけても命乞いをせずに立ち向かったお前を見込んで誘っているのだ。どうだ、悪い話ではあるまい?」

「…」

…確かに、オズマの言う通りだと額良は思った。
ただただクリスマスというだけで浮かれ、群れている人を今に至るまでたくさん見てきた。
確かに、ちょっとやりすぎだと思うような場面だって見てはきた。
だが、それでも

「断る」

額良は毅然とした態度で断った。
オズマの思想に同意しそうになった彼が最初に思い浮かべた自分の友人達の楽しそうな顔だった。
彼らの笑顔を奪うことなど、許されることではない。
オズマのやろうとしていることは必ず彼らから笑顔を奪う。
そんなこと、させるわけにはいかなった。

(偽善…かもしれないね)

額良は思う。

(それでも、やっぱり僕にはこいつらを認めることはできないや)

「確かに、オズマ、お前の言う通りかもしれない。だが、必ずしもお前の言う神はほかの人々にとって絶対的であるものだとは限らない。そもそも信仰は人にとって自由なものだ。

どうせ、その菌で崇拝させる対象はお前なんだろう?」

オズマは驚いた目をかっと見開く
どうやら図星のようだ。

「そんな信仰心を強要するなんて、それは独裁となんら変わらない。
お前は、神を語る独裁者だ。
僕は神なんてものは信じないが、これだけは言える。
お前のやっていることは、お前の語っている神そのものへの冒涜だ!」

額良は言い終えると息を静かにはいた。

「…貴様も、他の輩と同じようだ。吾輩の崇高な精神がわからなかったか」

オズマは落胆した表情をしている。

「さらばだ、名も知らぬ少年よ。……やれ」

オズマの合図とともに10人ほどの「クリネス」のギルドメンバーが一斉に自分への攻撃が来る。

(だめだ、全身を強打したせいで動けない。もう、だめなのか…)

額良は諦めたように静かに目を閉じた。

「あきらめるのはまだ早いよ、鼻血」

聞き覚えのある誰かの声がした。
目をあけると自分に襲いかかっていたメンバー全員が地に倒れていた。
そして自分の両横には槍を担いだ二人の人の姿があった。
片方は短い髪を流したハンサムカットの男、もう一人は長い髪に少し癖があるかわいらしい女だった。


「額良どの、助けにきたのだ!」

「やっぽー、話は聞かせてもらったぜ鼻血。鼻血らしい、熱い主張だったなおい」

「鼻血って言うなよ、ディラン」

今にも死にそうだったというのに、いつもどおりのディランの呼び方にいつものように額良は返事を返した。

「そんなことより早くこの場を何とかしようよ、私達だけじゃどうにもならないよ?」

「わかったよマイハニー。んじゃ、さっさと終わらせてクリスマスのランデヴーと行こうぜ!!」

「あう~~なんでそうなる~……」

こんなときでも軽口を叩く二人。

「…貴様ら、何者だ?」

オズマが身構えて問う。

「ん?ぼくはカニング自警団所属の隊員その127ディラン、でこっちにいるのがマイハニーであり愛妻のルナだ」

「まだ妻になってないもん!」

ディランのふざけた自己紹介に舐められたとみたのかオズマはわなわなとふるえていた。

「ええい、いらいらするやつらめ、やれ!」

待機していた他のギルドメンバーが額良ら三人に襲いかかる。

「残念ながらぼくらだけじゃないんだな~。マホさん達、出番だよ!」

ディランの合図とともにどこに隠れていたのか5人ほどの人が現れる。
その中の一人、大きな目をした封印杖をもった少年が次々に指示を出す。

「ルーとタンクはディランさんとルナさんの援護を。額ちゃの回復は僕とマホさんでやる。エニョさんは僕らの護衛を頼みます」

「わかった、行くよタンクさん」

「おうよ、額ちゃを傷つけた罪、しっかりはらってもらうんだからな!」

援護を命じられた槍をもったのと、ナイフを持った少年二人が敵に突撃する。

「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

タンクが襲いかかってくる5,6人の敵を一閃する。
一撃で倒せる敵の数など一人か二人で、残りは全員よけた。
だが

「すきあり!ってね。『アサルター』」

よけて体制が崩れた敵達の隙に、ルーが次々と行動不能にしていく。

「ふむ、これはまけていられないぞマイハニー」

「むぅぅ…わかったのだ」

タンクとルーのコンビネーションをみたディランとルナに対抗意識のようなものが芽生えたようだった。
二人とも、敵のいる方向に槍を向けると、ぴたりと背中を合わせた。

「いくよ、マイハニー」

「レディー・・・」

「「GO!!!」」

最初にディランが前に出て敵をかき乱す。
次にルナが鋭い突きで何人かの敵を戦闘不能にする。
そして最後にディランとルナが背中合わせになり、一度も背中を離さずに一回転して『ドラゴンスラッシャー』を周りにいた者に叩きこむ。

「よし、ラストだマイハニー」

「うん、行くよディラン、タイミングを合わせて! せーのっ」

「「ツイン『ドラゴンロア』!!」」

出現した二つの魔法陣から龍が咆哮し、周囲の敵が衝撃波に襲われる。
その一連の動作で完全倒れる敵の数は10人を超えていた。


「額ちゃ、ひどい傷負わされたね、痛かったね~ヨチヨチ」

「いや、マホさん、この年になって昔のように頭をなでるのはやめてくださいよ」

「まぁまぁ、マホさんも君に大事なくてうれしいんだよ」

「そうは言ってもな…そよ、さすがに恥ずかしいもんだぜ」

苦笑しつつ額良はおとなしくしている。
そんな額良に二人のビショップが回復魔法をかける。
見る見るうちに額良の傷は少しずつ回復していった。

だが、この無防備な状態の三人を敵が逃すはずもなく、襲いかかって一気に倒そうと数人が動いた。
しかし

「!?」

敵は近づいたとたんに体が痙攣し、死には至らないまでも、その場で動けなくなり、倒れてしまった。

「お前たちの相手は俺がやるよ。まぁ、俺の毒を超えられたらの話だけどね」

エニョと呼ばれたメイジ、エニョキが炎の弓をつがえて立ちはだかった。
どうやら彼は自分たちの周りにドーナツ状に麻痺性の毒を放ったらしく、近づいてくる敵は次々と倒れていた。
中には耐性を持つ者もいたようだが、そいつらはエニョキの炎の弓の餌食になっていた。


「…ええい、下っ端では話にならぬ。精鋭部隊をだせ!この目障りな奴らを消せ!」

部下を30人ほど倒され業を煮やしたオズマが叫ぶとさらに敵がわき出てきた。
しかも、彼らはどうやら今までのとは違い、全員かなり鍛え上げられた屈強な兵士たちだった。

「ちっ…多少の不利は否めないね」

ディランが下打ちする。
ディランとルナに襲いかかった彼らはまず彼らのコンビネーションを崩し、個々に複数で当たってきた。
タンクとルーも同じように対処されてしまっている。

さらに、ディラン達を抜けて額良達のほうへも敵が行ってしまった。
一人が大きな斧、ヘリオスをもって三人もろとも切り捨てようとする。
エニョキは後方の大量の雑魚の相手で護衛に回れない。
絶体絶命だった。
大きな斧がすぐ近くまで迫る。
額良はせめてマホとそよだけでもと思い、止める二人を振りきって彼に向かっていった。
その時だった。

さらに巨大な斧、ドラゴンタスクが額良とその男の間を隔てた。
次の瞬間には、タークスが目の前に現れ、ヘリオスを持った敵を圧倒していた。

「斧の使い方がなっちゃいないぜ!!」

タークスはまるで赤子の手をひねるようにその男の斧をはじくと、思い切り蹴りを喰らわせた。
やられた男は白目をむきながらその場に倒れた。
どうやら、気絶しただけで死んだわけではないらしい。
タークスはそのまま敵の一番多い群れに突っ込んでいった。

「本日2度目だけど、助けにきたよむっつり!!」

「みんな、ナーレイの少数精鋭の強さをあの謎の宗教集団に思い知らせるわよ!!」

アキトとシャオも現れ、彼らのギルド「ナーレイ」のメンバー達が戦闘に加わる。

「アキト、姉さん、ターさん! どうしてここに?」

「いやね、ルーグってやつから額良が危ないって知らせを受けたからさ、全員で飛んできたのさ」

「ルーグ…?」


「ええい、たった十数名程度が増えたところで、我々の数には及ばん!臆するな、我らの大願のためにやつらを蹴散らせ!!」

焦り始めたオズマが部下たちに発破をかける。
オズマの言うとおりレイナーが加わったとはいえ、まだ戦力差はかなりあった。

「じゃあ、もう百人いれば、質では勝るよねきっと」

どこからか、声がしたかと思うと「クリネス」のメンバー達を囲むように三方向に三十人ずつほどの人間が現れた。
総勢、百名ほど。
ギルド「ナイトオブダウン」のメンバー達だ。

「おまたせ兄弟、援軍にきたぜ!」

「ルーグ、何でここがわかった?」

額良の当然の問いにルーグはにこやかに笑って答えた。

「僕の外部ハッキング能力を甘く見るな!」

「プライバシーの侵害だな、とりあえず通報した」

「そのおかげで助かってるくせにひどいなおい」

ルーグに的確に突っ込みを入れる額良。
だが、心なしか彼の顔には笑みが浮かんでいた。

「皆、相手は一応僕らと同じ人間だ、極力致命傷を避けるように闘ってくれ!」

ルーグがメンバー全員に指示を飛ばす。

「うおおおおおおおりゃあああああああああ」

クイナが雄たけびをあげて敵の群れに切り込んでいく。
そして彼女の率いるメンバーたちも次々と敵を先頭不能にしていく。

「ミーナ、俺から絶対に離れるな」

「わかりました、あなたを援護します」

博とミーナも突入し、敵の統率力を奪うように撃破していった。


ナーレイ、ナイトオブダウンの二つのギルドが戦闘参加したことにより着々と「クリネス」のメンバーは撃破されていった。




「ぐぬぬ…何故だ、何故こうも押されている…!」

「リーダー、あなただけでも先にカニングへ。あなた様さえ大丈夫ならなんとでもなります!」

部下たちがオズマだけでも先行するように促す。

「しかし、それではお前たちが」

オズマは部下たちを気遣い、自分だけ行くことに躊躇した。
しかし

「かまいません、我らの大願を忘れたのですか!」

部下たちの言葉を聞いてハッとするオズマ。

「…すまない」

オズマはそう言って踵を返すと、テレポで飛んで行った。

「ふーん、オカルト宗教集団にしては、少しは根性あるんだなお前達」

オズマがその場を離れた一瞬後に、タークスが本部に達した。

「リーダーは取り逃がしたか…アキト、額良さん達と追ってくれ。俺がこいつらの相手をするよ」

「わかりましたたーさん」

アキトは返事をするとすぐに額良達の元へとフラッシュジャンプで飛んで行った。

「我らとて四時転職者だ、貴様一人で相手にできるなどと…」

「俺はお前たちと違って並の四時転職者じゃないよ」

穏やかに、されどそこには多少の覇気が含まれる。

「俺はタークス。最強の斧使いだ!」

タークスは誇るようにそう言うと、鬼神のような形相で「クリネス」の本部の精鋭達に向かって言った。








「くそ、あいつはもうカニングについてしまったのか?」

「いや、まだだと思う。いくらテレポでも、そんなに短い距離しか移動できない。必ず追いつけるよ」

額良とアキトはオズマを探しつつ、カニングシティへ向かう。

「―――で、なんで姉さんがいるんだ?アキト」

「さぁ?」

「何でとは失礼な、私だって一応ビショップよ。もしオズマが「ジェネシス」なんか使ってきたら私が「ジェネシス」使って相殺するしかないじゃない」

「…ボク、始めて姉さんがまともなこと話した気がする。」

「奇遇だな、僕もだ」

「額良さん達の中の私って…」

「変態」

「変態」

「…ヤハーン///」

こんな時にまで軽口を叩けるほどの二人を心底頼もしいと思いつつ、額良は目を凝らしていた。
その時だった。

「いた!オズマはあそこだ!」

カニングシティまであと一キロ地点のところに、オズマはいた。
テレポの連続使用のせいで魔力をだいぶつかったのか、かなりつかれているようだった。

「オズマ!お前の大願とやらもここまでだ、潔くこっちに降るんだ!」

三人は着地すると、オズマを囲むように身構えた。

「ふん、吾輩をなめるな…お前たち程度など、吾輩にとって敵ではないわ!!」

そう言っていきなりシャイニングレイを放った。
三人ともいきなりの攻撃に避けることはできず、直撃してしまった。

「元No1ビショップの力、思い知るがいい!」

オズマはそう叫ぶとホーリーアローよりも上位の光魔法『エンジェルレイ』を連射する。
アキトと額良はすぐに起き上がりホーリーアローよりも強力なそれらをよけるとオズマに対して手裏剣の弾幕を張る。
そのすきにシャオは建物の陰に隠れると、静かに彼女もエンジェルレイを携えてオズマを狙った。
さすがのオズマもナイトロード二人の手裏剣の弾幕は防ぎきれないのか、テレポで瞬間移動しようとした。

(今だ!)

シャオはこの時を待っていた。
魔術師がテレポをするとき、必ず出現する場所にマナの反応がある。
その座標を感知できれば、出現する時点を狙い撃ちすることもできるのだ。
シャオは迷わず矢を放った。
しかし、矢は虚空を貫くだけだった。

「この程度のフェイクにかかるとは、甘いな」

シャオは後ろからの声に驚きすぐにテレポで移動しようとした。

「動くな、動けば…討つ」

氷のように冷たい目でシャオをにらむオズマ。

「くそ…姉さんが…」

「まてむっつり、下手に動けば姉さんがやられる」

下手に動くわけにもいかず、二人は身構えたままオズマの前に降りた。

「さて、とりあえずお前たち三人にはおとなしくしていてもらおうか」

オズマはどこから取り出したのか、縄を手に持つと額良達に投げつけた。
すると、縄はひとりでに額良達を縛りあげ、その場で動けなくした。

「貴様たちを菌で洗脳してもいいんだが、どうせ鳥が先か、卵が先かなだけの話だ。おとなしくここで吾輩が菌を散布するのを見ているんだな」

オズマはそう言うと、テレポでその場から離れようとする。
そんな時だった。

「勝利宣言をするには、まだ早いでしょう」

いきなりキラが現れ、オズマに切りかかった。
正確にはオズマの持っていたスーツケースを狙った攻撃だった。

「なっ…」

オズマは疲労がたまっていたせいか、避けきれずスーツケースをはじかれてしまった。

「キラさん、ナイスです!」

萌香現れ、がそこでうまくスーツケースをキャッチする。

「ぐ…貴様、そのスーツケースを返せぇ!!!」

オズマが鬼の形相で萌香に襲いかかる。

「キラ、早く萌香さんを助けるんだ!」

「いえ、その必要はありませんよ」

キラの言葉とともに、オズマの視界から萌香を遮るようにサンタ服を着た男女が現れた。

「リュウ? カエラさん?」

「ま、そういうわけだ額良、ここは任せろ」

「べ、別に、あんた達を助けに来たってわけじゃないんだからねっ! たまたま通っただけなんだから!」

カエラはそんなことを言うと雷の矢を携えてオズマに放つ。

「ぐっ…」

オズマは追撃することができず、それをよけるので精一杯だった。

「隙だらけだぜ」

そこにリュウが一発剣のみねで思い切りオズマを横から叩く。
オズマはそのまま吹っ飛び、壁に激突した。

「くそ…貴様らぁ…」

オズマが痛みに呻いているのをしり目に、キラが額良達の縄を解く。
「キラ、君がどうしてここに? 萌香さんと二人きりで過ごすんじゃ…」

「ルーグさんから聞いたんですよ。ですから本当にいい迷惑ですよ。さっさと終わらせてまた二人きりにさせてもらいます」

愚痴を吐きつつキラは縄を解く。
他の二人も同じようにほどいてもらったようで、すぐに立ち上がった。
そして、額良は言った。

「カエラさん、そのスーツケースをイフリートで完全に焼却してくれ!」

「何がなんだかよくわからないけどやってやるわよ!『イフリート』!」

カエラが召喚の魔法陣を出現させる。
そこから現れたのは、煮えたぎるマグマを身にまとった魔人だった。

「や、やめろ、それは唯一の信仰心を復活させるための神の救いがぁ!!」

オズマの悲痛な叫びを無視してカエラはイフリートにスーツケースを投げ渡す。
イフリートはそれを握りつぶした。

「あ…あぁ……」

オズマが絶望した顔でその場に崩れ落ちる。

イフリートが拳を開いたときにはスーツケースは跡形も残っていなかった。
おそらく、菌も完全に焼き殺されたことだろう。

「よし、これであとはこいつを捕まえて一件落ちゃ」

アキトが途中で言葉を切る。
何故なら、崩れ落ちているオズマから、すさまじい魔力と、怒気を感じたからだ。

「…許さん…許さんぞぉぉぉ!!!!!!」

オズマが一瞬でエンジェルレイをカエラ目がけて放つ。
イフリートがとっさに動き、カエラをかばう。
しかし、オズマの放ったエンジェルレイはイフリートを貫通した。

「キャ!?」

イフリートが間にはいったおかげで、矢の軌道はずれてカエラの顔をかすめる程度で済んだが、イフリートは光となって消えてしまった。
その場に経たりと座り込むカエラ。
その場にいた全員がオズマに向かって得物を構える。

「吾輩の崇高の思想を理解せぬ馬鹿者どもめ、こうなれば仕方がない。細菌テロなどという生ぬるいものではなく、私自らの『ジェネシス』でカニングを壊滅させてやろう!」

オズマはそう言うとシャイニングレイを放った。
そのあまりの威力にその場にいた全員が吹っ飛ばされる。
オズマはその隙にテレポでカニングへ向かった。

「くそ、このままじゃカニングがやられてしまう」

「キラさん、アキトサン、私とリュウ、カエラは足が遅いので無理ですが、萌香さんとシャオさんを連れて彼を止めに行ってください!」

「しかし、萌香を守りきれる保証は…」

「いいから!今はもうそんなこと言ってる場合じゃないんです!」

完全に私情を払拭しているキラの言葉に戸惑う額良にアキトが言った。

「むっつり、時間がない。キラの言うとおりだ。それしか方法がないんだ」

額良は数秒間だけ無言でいたが、すぐにうなずいた。

「…萌香さん、少しだけ力、借りますよ」

「ええ、喜んで貸しますよ!」

「そうときまれば、急ごうアキト、姉さん」

アキトがシャオを、額良が萌香を背負い、カニングシティへ向かった。

「だが、むっつり、奴はどこに向かうんだ? ジェネシスを撃つのはどこででもできるぞ?」

「たぶん、ラジオ塔だ。あいつはなるべくたくさんの人を巻き込もうとしている。だから確実にカニングで一番人が集まるあそこに行くはずだ」

「! なるほど、そうとわかればすぐにラジオ塔に行きましょう」

「ちょっとまって額良さん」

シャオが彼らの会話を遮っていった。

「オズマは元No1ビショップなの。だから、私と萌香さんだけの力では彼のジェネシスを相殺できるとは思えないの。せめて、あと二人ビショップがいれば…」

それを聞いて額良は一瞬考えた後、何かを思いついたように言った。

「あと二人いればいいんだね!?」

「あてがあるのか?むっつり」

「うん、信頼できる人がね。連絡してみるよ」

額良はただそれだけ言うと持っていた通信機で連絡を始めた。










ラジオ塔のてっぺんには、二人のプリーストがいた。
リィとナツキである。

「額がいうにゎそろそろ来るらしぃヶど…」

「あ、リィちゃ、あれちゃうん?」

そう言っているうちに、オズマがその場に現れた。

「なんだ、貴様らは」

オズマは普通誰もいないはずのここにいるナツキ達をいぶかしんでいた。
そして、はっとするとにやりと笑った。

「そうか、お前たちもあの少年の差し金か。お前たちだけで吾輩を止めるのは無理というものだ」

「そんなん、やってみなヶればゎかんなぃでしょ!!」

「うちらを舐めてっと痛い目見るで?」

すでに各々いつでも戦えるように構えるナツキとリィ。
それを見てオズマは笑みを崩さないまま言った。

「ならば、やってみるがいい『ジェネシス』!!」

オズマは両手を掲げると、大空に向かって大量のマナを放った。

「隙だらけや!!」

ナツキがホーリーアローを放つ。
だが、それはオズマに届く前に消えてしまった。

「な、なんやて!?」

「貴様らの攻撃など、吾輩に通用するわけないだろう!!」

そうこうしている間にも空にビルを少なくとも十数は破壊できるであろう巨大な魔法陣が形成される。

「ナツキちゃ、私達も『ジェネシス』するしヵなぃょ!!」

「わかった!!」

二人ともその場で意識を集中させる。
すると二人の頭上にも、オズマのそれよりは小さいが、魔法陣が出現する。

「いくで!」

「せーのっ!」

「『ジェネシス』!!」

二人の魔法陣から光線が放たれる。
時を同じくしてオズマのからも光線が放たれた。

「なんだその貧弱なジェネシスは!! その程度すぐにつぶしてくれる!!」

だんだんとオズマのジェネシスに二人のジェネシスが押し返されていく。

「さっさとあきらめたらどうだ!? どうせ死ぬのが少し遅くなるだけだ、そんなに苦しむこともあるまい?」

「うるさい!うちらにはお前にはわからんもんを背負ってるんや! 笑ってるだけなら黙ってみとき!!」

「ぁたしらを…舐めるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

二人の気迫が少しだけオズマのジェネシスを押す。

「ふん…無駄なこt「無駄じゃないさ」

声が聞こえた瞬間オズマが振り返ると、そこにはシャオと萌香を背負った額良とアキトがいた。

「ナツキ、リィ、二人ともありがとう。もう少しだけ、力を貸してくれ」

「ええで、これでさっきの荷物持ちの借りはなしな!」

「ちょっときっぃからできるだけ早くしてくれるとぅれしぃな」

「ああ、わかった。…姉さん、萌香さん、頼みます」

「行くわよ萌香さん!」

「はい!」

「「『ジェネシス』!!」」

二人の頭上にも魔法陣が現れそこから極太の光線が放たれる。
そしてそれらはナツキとリィのに合流し、オズマのジェネシスの勢いを完全に止めた。

「私達じゃ、止めるのが精いっぱい。あとは額良さん達でオズマを倒すのよ!」

「お願いします、二人とも」

額良とアキトは無言でうなずくと、オズマへと向かって行った。

「アキト、すまないがもう少しだけ力を貸してくれ!」

「まったく、大きな貸しだよ?むっつり。それじゃタイミングを合わせてくれ、いくよ!」

「「『トリプルスロー』」」

二人がオズマに向けて大量の手裏剣による弾幕を張る。

「ふん、まとめて吾輩の手で粉砕してくれる!」

オズマが両手を下げる。
もう魔力をコントロールする必要はないのだろう。
そして、ホーリーアローを携え、不敵な笑みとともにそれを放った。
額良もアキトも軽く避け、さらなる数の手裏剣の弾幕を張る。
だがオズマはテレポで簡単によけてしまう。

「まったく、馬鹿の一つ覚えのように手裏剣を投げるだけか。少しは吾輩を見習って頭を使え」

オズマがそう言って指を鳴らすとよけたはずのホーリーアローが拡散して後ろから二人に襲いかかる。

「くっ…舐めるな!」

額良はよけきれたが、アキトはもろに食らってしまった。
そのまま倒れ伏すアキト。

「アキト!!」

額良は倒れてしまったアキトにかけよった。
だが、そんな絶好の隙を、オズマが見逃すはずがなかった。

「残念だったな少年、吾輩の勝ちのようだ」

気がつくと額良の目の前にはいつの間に現れたのか、ホーリーアローを構えたオズマがいた。
迂闊に動くわけにもいかず、額良にはオズマ睨みつけることしかできなかった。

「さよならだ、少年」

オズマが勝ち誇った笑みでまさにホーリーアローを放とうとする。
しかし

「ボクはまだ死んでないぜ!!」

さっき倒れたはずのアキトがいきなりオズマの背後に現れ、直接オズマの肩に持っていた手裏剣を突き刺した。

「ぐ…この…死にぞこないが!!」

もう一本突き刺そうとするアキトに向けて、オズマは振り替えて矢を放つが、アキトは簡単に避けると額良の肩を掴んで後退した。

「いいかむっつりよく聞け」

アキトが額良にギリギリ聞こえるくらいの声で話す。

「あいつの持ち技はあの拡散するホーリーアローと一番最初に食らった強い衝撃波のシャイニングレイだけだと思う。だから、ボクがあいつの攻撃を何とかする。その代り、君は僕にぴったりくっついてきて、隙をついてこれをあいつのどこでもいい、体に突き立てるんだ」

そう言って額良にクナイの形をした手裏剣を渡す。

「これには一瞬で全身に回って数時間は動け合くなるような、強い神経系の麻痺毒が塗ってある。だけどこれはっき刺したやつと一緒に使うことで初めて効果を表す毒なんだ。だから、とどめを刺す役を君に頼む」

「まて、それなら僕が道を開く役をやったほうが…」

「君はマナの扱いの心得がないだろ?僕は姉さんとかにちょこっとだけ教えてもらったからシャイニングレイが来ても破れる」

「でも…」

「でもはなしだ、頼んだよむっつり」

そう言うと額良に有無を言わさずアキトは走り出した。
額良も、アキトの意を汲みそれに続く。

「ふん、単調な突撃しかできない輩め、『』!!」

何本もの光の矢が額良達を襲う。
額良達はそれらを進みながら避ける。
オズマが指をならし、避けた矢が拡散して小さな矢となり後ろから襲いかかる。

「今だむっつり、シャドーパートナーで自分の背後を守って!」

アキトの指示通りに額良はシャドーパートナーを出す。
拡散した矢はシャドーパートナーに突き刺さり、額良達まで届くことはなかった。

「小賢しい真似を…だが、どんなに接近しようとも吹き飛ばすだけだ!『シャイニングレイ』!」

オズマを中心に光の波動が周りに広がる。

(…来た!)

アキトは額良の前に躍り出ると、静かに身にマナをまとい始めた。
そしていったんシャイニングレイをまともに受けた。
アキトは飛ばされそうになるが、その場に踏みとどまって意識を集中させる。
そして

(一度受けて…左右に分かつ!)

両手を左右に広げると、衝撃はの壁に人一人分が通れるだけのスペースができた。

「ふぅ…きついなこれ…。ボクができるのはここまでだ、後頼んだよむっつり」

アキトはそう言うと相当な無理をしていたのかその場に倒れた。
オズマは自分のシャイニングレイが破られたのに驚愕して一瞬だけだが動きが止まる。
その隙を、額良は見逃さなかった。

額良はなりふり構わずオズマへと突進する。
オズマがとっさにエンジェルレイを放つ。
だが、額良は勢いを止めずに首だけを動かしてそれを避ける。
後ろで拡散し、それらが額良を襲うが、さっきと同じように額良はシャドーパートナーで防ぐ。
そのまま、オズマへと額良は突進していく。
そして

「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

そのまま、手裏剣をオズマの肩に突き刺した。

「そ…んな……バカ…な……」

毒がまわってきたのか、その場に崩れ落ちるオズマ。
今度こそ、立ちあがってくる気配はない。
そして、術者を失ってコントロールがされなくなったジェネシスは雲散し、シャオ達のジェネシスが既に闇に染まった空に光の柱のように登って行った。

「はぁ…はぁ……」

額良はすでに肩で息をしていたが、オズマを見下ろしていた。
だが、オズマはずっと空を見ていた。
そして、自分は敗北したのだ、とあきらめ呟いた。

「……吾輩の負けだ、少年よ」

オズマは静かになった今になってようやく聞こえてきた人々の楽しそうな声を聞いて、つぶやきを続ける。
額良は、無言でオズマの言葉を聞いている。

「……町は、楽しそうだな…。いつからだろうか…彼らが憎らしく感じるようになったのは。かつては吾輩もいたはずのあれらの群衆を…吾輩はどうして壊したいと思ったんだろう…」

「…オズマ、お前は…」

シャオ達に治療されて、意識を取り戻したアキトがオズマに何かを言おうとする。
だが、オズマはそれを遮って話を続ける。

「言うな。…吾輩は、ただ嫉妬していただけかもしれないな。あそこには入れないから悲しくて、何かと理由をつけて彼ら憎んだ。そして、吾輩はきっとあの中に入りたかったのだな。だから、洗脳などという類の菌で細菌テロを起こそうとしたのだな」

誰もオズマの話を遮らず、静かに聞いている。

「こっけいな話だ。すべてを失ってからすべてを悟る、とは。……吾輩はどうせもう一生この町の牢獄で暮らすことになるだろう。すべて、遅すぎたのだ」

誰も、話さないでいた。
そうしているうちに、カニングの自警団がディラン達と一緒に到着し、オズマを連行しようとした。
オズマはすでにすべてをあきらめじっとしていたが、そんなオズマを見ていて額良は思わず声をかけた。

「オズマ」

「…なんだ」

オズマは額良を見た。

「すべてを失った…なんてこと、ないと思うぜ。お前はたぶん、一人じゃない。人はそう簡単には、一人にはならないもんだぜ」

それは、アキトが額良につぶやいた言葉と同じものだった。

「きれいごとだな」

オズマが額良の言葉を一蹴する。
だが、それでも額良は続ける。

「…お前にもいつかわかる時が来ると思う」

額良はそれだけ言うと、オズマが連行されていくのを静かに見つめていた。
そして、オズマが見えなくなったころ、まだその場にいたディランに何かを話していた。

「…わかった、やってみるよ鼻血。しっかしまぁ、殺されかけてんのによくお前はそんなこと考えつくな。まぁ、別にいいけどね」

そう言って、嵐も自警団に続いていく。

「何をお願いしたんですか?額良さん」

キラが額良の言ったことが気になるようで、聞いてきた。

「何、たいしたことじゃないよ。今日は助かったよキラ、ありがとうな」

「いえ…それでは、私と萌香さんはこれにて失礼します」

「それじゃ、よいクリスマスを、額良さん」

そう言ってキラと萌香は額良達と別れた。
それを川切りに、今まで集まっていた人々が各々で帰り始めた。

「おいむっつり、ナーレイはそろそろギルドイベントに戻るね。大変だったけどお疲れ様。それじゃ良いクリスマスを」

「僕らもそろそろ帰るよ兄弟。それじゃまたな」

ナーレイとナイトオブダウンのメンバー達もぞろぞろと帰って行った。
しばらくすると、そこに残るのは額良とリュウ、そしてカエラだけになっていた。

「いいのか? 額良。頼めばナイトオブダウンあたりはパーティーに入れてくれそうだったぞ?」

「つまらない意地はるんじゃないわよ。べ、別にあんたを心配してるわけじゃないけどさ。」

「いいんだ、ほら、君達も行きなよ、クリスマスはこれからだぜ?」

額良はそれだけを言うと、後ろを向いて黙っていた。

「じゃあ、俺達は行く。額良、お疲れ」

「風邪ひかないうちにさっさと帰りなさいよ!じゃあね!」

リュウとカエラもそう言うと、どこかへと行ってしまった。
額良はしばらく空を見つめていた。
そうしているうちに雪が降り始めた。

「…さて、僕もそろそろ行くか」

そう言うと、額良も静かに歩き始めた。
だが決してそこにさびしさなどは含まれてはいなかった。









「さぁ、さっさと入れこの罪人が」

オズマは自警団によって牢屋に入れられた。

「ふっ…ここが、俺が死ぬまでの居場所か」

オズマは頭の中にあった言葉をそのまま口に出した。

「まったく、クリスマスだというのに馬鹿なことをしおって。これから半年間、ちゃんと反省しろ」

「……なんだと?」

「だから、半年後にここを出るまでに、ちゃんと反省しろと言っているんだ。」

オズマは自分の耳を疑った。
自分は一生かけても償いきれない罪を背負った。
だから、ここで一生つながれているべきはずだったからだ。

「…お前、私が何をしたのか知っているのか?」

オズマのその言葉に看守が返事をする。

「カニング郊外での破壊活動ときいているが? いくらクリスマスで浮かれていたとはいえ、やりすぎたな。さて、私はいつまでもお前にかまっている暇はない、それじゃあな」

看守はそれだけ言うと、奥の部屋へと行ってしまった。

「…どういうことだ?」

オズマには、わけがわからなかった。

「…どうせ、外に出たところで吾輩は一人ぼっちなんだがな…」

刑が軽くなったところでうれしくもなんともないそんな風にオズマは考えていた。
そんな彼に、背後から声をかけるものがいた。

「あ、リーダー!無事だったんですね!!」

クリネスのメンバーで、オズマに先に進むように進言した者だった。
そのほかにもメンバー達が大勢いる。

「あ、あぁ、とりあえずは、な。ほかの者達はどうした?」

「一人も死んでません、全員生きて、この刑務所にいますよ」

「そうか…すまなかったな」

オズマは全員生きているのに安堵し、その場で頭を下げた。

「な、なんであやまるんですか?」

「吾輩はお前たちを巻き込んだ、そしてこのざまだ。誤らずにはいられまい?」

自嘲を含んだオズマの言葉に、他のメンバーは言った。

「我々は同じ考えを持ったからあなたに協力した、失敗はしたが、それも覚悟の上で活動していた。皆それは同じなはずです。そしてそれはこれからだって変わらない!」

オズマを諭すように、メさらに他のンバーの一人は話を続ける。

「ここを出たら、また「クリネス」を結成しましょう!
今回はリーダーは部下の誰にも頼らなかったが、これからもう少し、頼ってくださいよ?
…て、リーダー…?」

オズマは、いつの間にか涙を流していた。
そして思った。

(最後まで名を聞くことのなかった少年よ、どうやら貴様の言うとおり、人は意外と一人にはならないものらしいな)

涙を流すオズマにメンバー達は戸惑ってる。
だが、オズマはきっと、そこに今までとは違った温かなものを、確かに感じ取っていただろう。
















場所は変わってカニングのラジオ塔
今行われている「DJセルナの俺ラジオ」を聞くために、たくさんの人が集まっていた。

「さて、そろそろ『DJセルナの俺ラジオ』は終わりに近づいてきたが、最後に俺から人ことある。聞いてくれ」

セルナは目をつぶると、話し始めた

「クリスマスは、これからが本番だよな。
でも正直さー、クリスマスの過ごし方っていろいろありすぎて困らねぇ?
そこのあんたなんてどうよ?」

セルナがどこかに指をさすたびに黄色い歓声がわく。

「家族と、あるいは恋人と、または家で静かに、どれも素敵なクリスマスの過ごし方だと俺は思う」

セルナは一呼吸おいて、また語りだす。

「だが、ちょっとだけでいいから考えてみてほしい。俺達がこうしてワイワイやってた間に、大事な理由があって好きなやつと過ごせないやつがいたかもしれねぇ、もしくはどこかでは大事な人を守るために戦ってた人もいたかも知れねぇ。
クリスマスを過ごす人がいれば、それを守るクリスマスを過ごすやつもいるわけだ。
どれもすげぇいいクリスマスの過ごし方なんだっつーこと、皆に覚えていてほしい。
いいか、忘れんなよ?
それじゃ、俺からみんなに、メリークリスマス!」

セルナの一言に、周りにいた群衆が一斉に歓声を上げる。

「メリークリスマス!…っと、やれやれ、セルナのやつ…詩人だなぁ…」

群衆の中には額良もいて、静かに呟いている。

「格好つけてる文章だが、あながち、間違ってないかもな。さて、そろそろ帰って寝るとするか」

そして、額良は静かにその場を後にした。



いろんな過ごし方があるクリスマスの夜。
あなたはどんな風に過ごす?

メリークリスマス

―Fin―


あとがきという名の言い訳タイム

と、いうわけでいかがでしたか?
何やらたくさんの批判の言葉が聞こえてきそうですね(汗
正直、自分のメインキャラを主人公にするとかどんだけーなどと自分でも思うんですが、いろいろと主人公にはひどい目に逢ってもらう必要があったので、このほうがいいかな、と思って主人公に据えてみました。
文章のほうも、実を言うとこれ3日程度で勢いとノリだけで突っ走ったので、ところどころ(というかかなり)間違いとかわけわからんなところがあると思います。
また、キャラをここまでたくさん出したのは、おそらくこの小説が受験前に書く最後の小説になると思ったので、せっかくだから今まで自分の小説で使ったキャラ、そしてできる限り多くのメイプルの友人をベースにしたキャラを使って描きたかったからです。
でも、結果的に数が多くなりすぎてキャラのかきわけができてないような気がしないでもありません、ごめんなさい。
とりあえず、名前は全部文字ってありますが、どれが誰なのか聞きたい方は僕当てにメールをいただければ答えようと思ってます。
こんな読みにくい小説をここまで読んでくれた方々には本当に感謝です、ありがとうございました。

それでは、書き終えた現在時刻が一時近くなので、そろそろ寝ますね。
ってか、もうすでにクリスマス小説じゃないっていう突っ込みが聞こえてくるけど、全力でスルーさせてもらいますね!
それじゃ、また
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とりあえず駄文を置いてみた、批判は心の中だけでとどめてほしい。

2007-12-25-Tue-01:45
来ましたよ、クリスマス小説!




なんとか小説書きあげました。
急ピッチで書き上げたのでかなり誤字脱字ストーリー性、描写や文の表現などに問題大ありだとは思いますが、まぁ流して読んでくれたらうれしいです。

それでは、どうぞ






12月24日の夜
それは、ある人は家族、ある人は友人、そして・・・ある人は恋人と過ごす夜。
俗に言う「クリスマスイヴ」と、いうやつだ。
ここ、メイプルワールドでもそれは変わらず、今夜は人々は陽気に騒いでいた。

そんな風に騒いでいる人々の中で、ぽつんと一人でいる少年がいた。
そんな少年の、クリスマスでのちょっとしたお話。




「…はぁ…。
カニングシティのにぎわっている表通りとは裏腹に静かな裏通りでうつむいて座って溜息をついている少年がいた。
彼の名前は「リュウ・クレイン」最近なったばかりのパラディンである。
「……はぁ…鬱だ…。」
二度目のため息をつく彼。
彼は誰もいない裏通りでぽつりとつぶやいた。
「クリスマスイヴだってのに…何にもないとか…まじで笑えねぇ…」

勘の鋭い読者も鋭くない読者も、何で彼がこんなに暗いかはもうおわかりだろう。
そう、彼はいわゆる「クリスマスなのに孤独なのでとっても気分がブルーになってしまう病(作者が勝手に命名)」に陥っているのだ。
何?わけわからない?
まぁ、簡単に言うと「クリスマスなのに一緒に騒ぐ友人も一緒にいられる彼女もいない状態、ってことである。
まぁ、作者と一緒だということは内緒だ。

そんなことはどうでもいいとしてとにかく、彼はクリスマスイヴに一人でいたのである。


「お?リュウじゃないか、こんなところで何をしているんだ?」
リュウが聞きなれた声に呼ばれたのに気がつき顔をあげるよ、そこにはメガネをかけ白い制服を着た少年と、騎士の鎧をつけた少年と、暖かそうなコートに身を包んだ少女という3人の友人がいた。
「なんだ…額とキラと萌香か…。」
リュウがそう言うと、額以外のほかの二人が
「なんだとは失礼ですね」
「そうですよ」
と、抗議の声を上げた。
そんなことは軽く無視し、リュウは言葉を続ける。
「で、俺になんか用か?」
あきらかに不機嫌そうな顔で言葉を発するリュウに鎧を着た少年、キラが言った。
「いえ、なんかさびしそうにしているので…どうしたのかなぁ…と」
それにつづいて萌香も言う。
「ですです、せっかくのクリスマスなのに一人なんてさびしいですよぉ」
そんな二人の言葉に明らかにいやな顔をし、リュウは言った。
「…誰にも何にも呼ばれなかったんだ、仕方がないだろ」
そんなリュウに萌香は驚いたように言う。
「え…いつもあんなに人にかこまれているリュウさんが…」
リュウはそんな萌香に自嘲するように言った。
「ほかのやつらは皆彼女と聖夜を過ごしてるさ、あいにく俺はそう言うのとは縁がねぇんだ。」
「「…。」」
萌香とキラが黙る。
そんななか、一人だけ話には入れていないやつがいた。
(…なんか、僕だけ話には入れてなくね?)
額、君の場合仕方がない、そういうキャラなんだから
「なんでだよ!?」
額は唐突に頭に響いてきた声に対して反論した。
そんな額にキラは言った。
「どうしました?額」
「え…だって…変な声が」
「ああ…ついにさびしすぎてそんな声が聞こえるように…。」
キラが憐れむような眼で額を見る。

注)作者の声は額にしかきか聞こえていないので、ほかの人にはいきなり叫んだようにしか聞こえていません。

彼らが言い合いを始めそうになったので、リュウはその前に話を切り出した。
「…それはともかく、キラと萌香が一緒にいるのはわかるとして…なんで額もそこにいるんだ?」
話かけられた額は内心
(僕の出番ktkr!)
と思いつつ、答えた。
「いやね、こいつら何かと親しいじゃないか?で、今日はクリスマスイヴだろ?だからこいつらが過ちを犯さないように僕が見張りをs「なにを言ってるんですかぁ?額さん^^」

額の言った言葉に萌香が反応し、その身に黒いオーラを纏う。
「あ~…萌香、冗談だ、まぁ、おちつk「その腐った頭ごと消えてください!ジェネシス!」
萌香のジェネシスが発動し、額に向かって光線が放たれる。
「やべwwww萌香が切れたwwwちょ、死ぬwwww僕死ぬってwwww」
額はよけながら逃走を開始、萌香はそれを追撃する形で追いかけて行った。
「あ~…ああなっちゃいましたか…。 あ、リュウさん、それでは私もこれで失礼しますね」
キラもそう言うと額達を追って行った。
「…なんだったんだ、あいつらは」
そうつぶやくリュウに、寒い冬の風が吹く。
「…はぁ・・。」
もう3度目のため息をつき、リュウはその場にまた座りこもうとした。

その時!

「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
何やら誰かが叫ぶ声がした。
どうやら、女性のようだ。
「…なんつーか、面倒そうだな…。」
リュウはその場で座るか経つかの中腰の体勢になっている。
「……まぁ、暇だしな、行ってみるか」
リュウはそうつぶやくと、声がしたほうに走って行った。


少し走っていくと、何かから逃げるようにこっちにかけてくる女性の姿が見えた。
どうやら、声の主は彼女のようだ。
そして、後ろを追っているのは…
「…なんだよあの人数」
およそ30人くらいの男たちが、その女性を追っていた。
女性はリュウに気がつくと、大声で言った。
「ちょ、あなた! あぶないからどいてどいて―――」
リュウは言われるままにどいたが、そのどこうとした方向に女性もよけてしまい…。
「キャッ!?」
「うわっ!?」
正面から衝突してしまった。
お互い同じ方向によけて結局ぶつかってしまう、よくあることだ。
「…っ~~なんでこっちによけるのよ!」
「そりゃこっちのセリフだ、なんで俺が
よけたのにあんたも避けようとするんだ」
「だって普通左に避けるでしょ!!」
「いやそんなことに普通も何も…」
言い合いをしている彼らに男達が追い付く。
「お~いつ~いたっ♪」
なんかでっぷりとしたリーダー格の男(いかリーダー各のでっぷり)が言う。
「あ~!!もう!追い疲れちゃったじゃないの!」
「だからそんなこと俺が知るかって!!!てか、なんであんた追われてんだよ」
「なんか知らないけどいきなり『萌え~』とか言って追いかけてきたのよ」
「なんだそりゃ!?」
そんな二人にリーダー格のでっぷりした男が言う。
「なんで追っているかって?それはそのサンタ服をきた女が『萌える』からさ!我々はギルド『チームサンタ服萌え』。そのギルドイベントとしてサンタ服の女性を追っているのだぁぁぁぁぁぁぁ」
「だぁぁぁぁぁぁっぁ」
後ろにいた男たちも一緒に叫び声をあげる。
言われてみれば、女性は確かにサンタ服を着ている。
「ok、とりあえずお前らが不審者でこのおてんばっぽい女が被害者ってのはわかったよ」
「おてんばっぽい女って何よ、私は「カエラ・スウェード」っていうれっきとした名前がある乙女よ!」
リュウにつっかかるカエラ。
(てか、普通自分のこと乙女っていうかねぇ…。)
と、リュウは思ったが、口に出すとまたうるさそうだから言うのはやめておいた。
そんな彼らにでっぷりした男が再び口を開く。
「さて、そこの孤独な少年A君、そこをどきたまえ。我々にはそのサンタ服の女性を捕獲するという使命があるのd「すててしまえそんな使命」
リュウは即座につっこみをいれるとカエラを背にかばった。
「え…?」
カエラが意外そうな顔でリュウを見る。
「まぁ…見ず知らずとは言え女を見捨てるようじゃ、男もすたるしな…」
リュウはそう言うと拳を構える。
それをみてでっぷりした男は憤慨して
「我々にたてつく気か!いいだろう!やってしまえ!!」
と、部下(というか同士?)に攻撃指令ともいえる命令をした。
そしてリュウに向かって男が二人、拳を振り上げて襲いかかる。
…が
「ぷげらっ」
「ひでぶっ」
男たちは腹を押さえると、その場に倒れた。
「なっ……」
でっぷりしたリーダー格がうろたえているところにリュウは言った。
「あ~…ったく…人がさんざんいらつく感情を抑えてるってのに…」
リュウが倒れた二人の男の前に立ち、頭を掻いていた。
「なんだ?お前ら、失せてくれね?悪いけど、ここをどくつもりはない。そんでお前らにここを通すつもりもない。」
リュウがぎらぎらした目で「チームサンタ服萌え」の男たちを睨む。
「ぜ、全員でぶっとばしてやれ!!」
ひるみながらもリーダー格のでっぷりが再び攻撃指令をだす。
そうして彼らの闘争が幕を開けた。

―――――――そして10分後

「うらぁっ!」
「あべしっ」
リュウの拳が相手の顔にめり込む。
「はぁ…はぁ…やっと20人か」
思ったより数が多く、リュウはその数の前に苦戦していた。
残った「チームサンタ服萌え」のメンバーは20人程度。
これだけの人数を相手にしたリュウの体力はすでに限界だった。
(くそっ…数が多すぎる!)
リュウは内心毒づきながら、拳を振るう。
しかし…
「後ろががらあきだぜぇ?」
「なっ・・・しまっ・・・」
疲れで気が緩んだか、後ろに回れ込まれ、腕をだんじがらめにされてしまった。
「さ~て、じゃあ、一発お見舞いしちゃおうかなぁ♪」
リーダー格のでっぷりが拳を構えてリュウに震う
「それ『パワーストライク』『パワーストライク』『パワーストライク』」
リュウに何発もの殴打が加えられる。
「ぐ…あ…。」
すでに痛みでうごけないまでにダメージをうけてしてしまったリュウ。
「さ~て、しんでくれないかな、かっこつけた少年A君!」
とどめの一撃とばかりに腕を振り上げるリーダー格のでっぷり。
その手にはコンボカウンターが5個回っている。
後ろで腕を縛っていた男がさっと逃げる。
「『パニック』!」
モロに食らい、吹き飛ばされるリュウ。
(あ~…いってぇ……体がうごかねぇ…)
リュウは地面に倒れながらふと思った。
まだリュウが意識を保っているのを見てリーダー格のでっぷりは言った。
「お?まだこいつ生きてるジャン、じゃあ、もういっぱt「やめなさいよ!」
とどめをさそうと近寄るリーダー格のでっぷりの前に、まだ逃げていなかったカエラがリュウを抱えて立ちふさがる。
「お?何?献身的だねぇ君、ますます萌えちゃうねぇ~。そんな弱い男のどこがいいのさぁ~。俺らのほうが強いよ~?」
リーダー格のでっぷりの言葉に、カエラは言い返す。
「何よ、あんたたちなんて群れなきゃ何にも出来ないじゃないの、あなた達こそ弱い男よ!」
カエラのそんな言葉にカチンときたのか、リーダー格のでっぷりした男は拳を振り上げ言った。
「とりあえず、君も黙ってよ、起きたら君はもう汚れてるかもしれないけどね~」
そういって力をため始める
「やめ…ろ…」
リュウが弱弱しい声で言う。
「知らないねぇ、さぁ、死んで?」
そして、拳が振り下ろされる。
(やられるっ!)
カエラはリュウを抱えたまま目をつぶった。
次の瞬間には脳を震わせるほどの衝撃が…こなかった。
「…あれ?」
いつまでも衝撃が来ないことを不思議に思い眼をあけると、前にはひと組の男女が立っていた。
「せっかくかるーんと裏路地でラブラブランデヴーしようとしてたのに…なんでこんなあいてをしなきゃいけないんだろ」
「ばかなことを言っていないで早くこの人たちを助けよ?嵐」
いきなりあらわれた彼らにリーダー格のでっぷりが言う。
「な、なんだお前らは」
その問いにこたえるかのように嵐と呼ばれた男が答える。
「ぼくの名前は燃ゆる嵐、でこっちが僕の美人妻のカルディラことかるーん」
「∑(゚∀゚ )ちょ、まだ妻になってないよ!?」
「ん~?『まだ』?ってことはいつかなってくれるのかな^^げへへへへ」
「:・(゚Д゚)  ―t(―´)フッ」
ちょっとした言い合い(?)を始める彼ら。
それにさらにいらついたのか、リーダー格のでっぷりが叫ぶ。
「ああ!もう!とにかくお前らもぶっとばしてやる!そこのうさみみの萌える女はあとでお持ち帰りだ!いけ!」
今度は嵐に向かって襲いかかる男達…しかし
「あ?ふるぼっこにしてあげるよ^p^」
嵐は自分から大群の中に突っ込むと片っぱしから倒し始めた。

「あ、あんたたちは…?」
カエラはいまいち状況をつかめず、うさみみの女、カルディラに問いかける。
「大丈夫、私たちは味方?っていうのかな?まぁ、味方だよ。」
カルディラはそう言いながらポーチから瓶を取り出す。
「はい、これをそこの人に飲ませてあげて、その人もう意識がないみたいで危険だよ?」
そう言われて初めてカエラはリュウが気絶していることに気がついた。
そして、手渡された瓶を見ると、カルディラに言った。
「これは?」
「大丈夫、薬だよ。」
それを聞くと、カエラはリュウに手渡された薬を飲ませた。
リュウの苦しそうな顔が、次第に和らいでいく。
「…あ…れ……?」
リュウが目を開けた。
「!…リュウ!」
カエラは倒れていたリュウを起き上がらせる。
「…お前は…カエラ…? そうだ!あいつ、あのでっぷりした男は!?」
リュウはそう言っていきなり立ち上がろうとした。
しかし
「っ・・・。」
まだ体に痛みが残っており、すぐには立ち上がれなかった。
そんなリュウにカルディラは言った。
「大丈夫、全部嵐が倒しちゃってるから」
見ると、すでに嵐は最後の一人となったリーダー格のでっぷりに殴りかかっている。
リュウはそれを見て、どうやらカルディラと嵐が味方で自分たちを助けてくれたらしいことを悟った。
そうこうしているうちに、嵐はリーダー格のでっぷりを倒したようだ。
「yappo-bokusaikyou^p^」
倒れたリーダー格のでっぷりを前にガッツポーズをしている。
「あ、終わったみたいだね、それじゃ、私たちは行くね」
「じゃあ、そういうわけでそこの若い二人の少年少女もよい夜をね^p^メリークリスマス」
いつの間にか戻ってきていた嵐とカルディラはそう言うと足早に去って行った。
「ねーねーかるーん、今夜は寒いよね」
「(*・ω・)(* -ω-)(*・ω・)(* -ω-)ウイウイ」
「一緒のベッドに入ってねようぜ、ついでにその先も(ry)
「え、嵐ならいいよとかいってあげないんだから!11!!!」
「mjd?」
「え、冗談」
「僕に冗談は通じない^q^」
「あうう…;」
上記のような会話をしながら去って行ったというのはまた別の話。

それはともかくリュウ達はその場に取り残された。
何を話していいかもわからず、二人を沈黙が包む・・・そして、カエラが口火を切った。
「助けてくれて、ありがとね」
そんなカエラの言葉に、リュウは
「別に、最後やられちまったし、助けたってほどじゃないけどな」
と、言った。
「でも…うれしかったよ」
カエラは頬を赤くしながら言っている。
「…。」
再び沈黙が二人を包む。
しかし
「な、なんだこの倒れている人たちは!?」
「あ、あそこに人がいるぞ!」
「あれがこいつらをやった犯人に違いない!」

いきなりきた自警団の人達によって唐突にそれは破られるのであった。

自警団の人達はぼろぼろのリュウを見ると、近づいてきた。
「君、我々はカニング自警団のものだ」
リュウはいきなり偉そうに話しかけられて腹が立ったが、そこは押さえて普通に返事をした。
カエラは何故かきょとんとしている。
「俺に何か?」
「君かね?この人たちに暴行を加えたのは?」
「いや、確かに加えましたけど、それはこいつらが」
「そうかそうか、じゃ一緒に署まできてもらおう。」
どうやら、彼らはぼろぼろのリュウをみて、彼がこの惨状の犯人だと判断したようだ。
「ちょwwww待ってくれよwwwwだからこいつr「問答無用!」
リュウはそのまま両腕を自警団の人にとられると、半ば引きずられるように連れて行かれた。
そんな自警団にカエラは
「まってください!彼は…」
と、抗議しようとするが、自警団の一人にさえぎられてしまう。
「ああ、お譲ちゃん、脅されて怖かったろう?」
「そうじゃなくて彼は!」
カエラの弁明もむなしく、引きずられていくリュウ。
「俺は無実だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!1111!!!」
リュウの悲痛な叫びは、カニングの裏路地に空しく響くだけであった。


――――――数時間後
「はぁ…なんでこんなことに…」
リュウは手かせをはめられ独房の中にいた。
結局あれからいろいろと質問され、正直に答えても信じてもらえず、勝手に暴行犯として独房入りを命ぜられてしまったのだ。
「……ついてねぇ…本当に今年のクリスマスはついてねぇ…」
リュウは自分の身の不幸を呪った。
なぜ自分が、なんで俺だけが、と。
リュウは自分だけが世界に取り残されている、そんな感覚がを覚えていた。
(思い返せば碌な事がなかったぜ、今日は。額達にはあうけどなんか見せつけられるだけだったし、なんか変ないざこざに巻き込まれてぼこぼこにされ、挙句の果てには独房入り、か。笑えるぜ、笑うしかないぜ、本当に)

リュウがそんなことを考えていると、自警団員が降りてきた。
そして、自分の独房の鉄格子のドアをあけた。
「リュウ・クレイン、釈放だ、疑って申し訳なかった。」
そう言いながら自警団員はリュウの手錠を外しながら言った。
「なぜ俺が無実だとわかったんです?」
リュウはふと疑問に思ったことを問うと、自警団員は笑って答えた。
「君と一緒におた女の子、彼女が嵐とカルディラっていう証人を連れてきてくれたんだよ。あと、額とキラと萌香ってひとや君の友達と名乗る人達も一緒に君らを襲った一団を全員捕まえてきてくれてね、そうしたことから君が無罪という事もわかって、当自警団では君を無罪と判断することができたのさ。」
リュウはそれを聞いて、びっくりした。
自分など、皆に忘れられていると思っていたからだ。
自警団員は言葉を続ける。
「君はいい友人を持っているみたいだね、大切にしたまえよ。それじゃ、メリークリスマス、良いクリスマスの夜を」
自警団員はそう言うと、自分の部署に戻って行った。

リュウが自警団の事務所からでると、そこには数時間前と変わらずサンタ服を着ているカエラがいた。
「…カエラ」
リュウがそう言って近づくと、カエラは走ってこっちに飛びついてきた。
カエラの予想外の行動にリュウは対応できず、そのまま勢い逆らえず後ろに倒れてしまった。
「ちょwwwwおまwwww」
リュウが戸惑っていると、カエラはリュウに言った。
「ごめんなさい」
「…え?」
リュウはいきなりの謝罪にわけがわからず、カエラの顔を見た。
たった今気がついたが、カエラは泣いている。
(おいおい…なんだよこの予想外の展開は…)
リュウがそう思っていると、カエラは言葉を続けた。
「あたしのせいで…あたしのでせいであなたは巻き込まれて…っ」
カエラはただただ泣きながら謝っている。
そんなカエラにリュウは、困ったような表情を浮かべると
「別に、お前のせいじゃねぇだろ、まぁ、俺も暴れすぎたしな。まぁ、気にすんなって」
と、言い、その手でカエラの涙をぬぐった。
「でも…」
カエラがまだ何か言おうとしていたがその前にリュウは言葉を続けた。
「泣くなって、せっかくの整った顔立ちが台無しだぜ?」
と。
そしてしばらく泣きやむまで、カエラのかたをぽんぽんと叩いてやっていた。
やっとカエラが泣きやむと起き上がり、カエラも立たせる。
そこで、リュウはちょっと疑問になっていたことをカエラに聞いた。
「…そういやさ」
「…ん?」
「なんで、あんとき逃げなかったんだ?あんとき逃げてれば楽にあいつらから逃げられただろ?」
「それは…」
「それは?」
「……闘ってるあんたを見てたら…逃げるのを忘れちゃってたのよ」
「なんだよそれwwww」
リュウが笑ってそう茶かすと、カエラは少しうつむいた。
「まぁいいや、それじゃあな、気をつけてかえれよ」
そう言って、リュウはカエラに背を向け歩み去ろうとする。
「まって!」
カエラが後ろから引き留める。
「…なんだ?」
リュウが振り向くと、カエラは顔を少し赤くして言った。
「く、クリスマス…暇なんでしょ?だったらあたしとクリスマス村にいかない?」
「なっ!?」
予想外の誘いにリュウが困惑していると、カエラはあわてて付け足す。
「べ、別にあんたに惚れたとかそういうのじゃなくて、あ、あんたがあんまり一人でさびしそうだからお情けで一緒にいてあげるだけなんだからね!?いい?勘違いしないでよ!?」

(…あ~これつんでれってやつか)
そんなカエラが少しおかしくて、リュウは笑ってしまった。
「な、なによ!?やっぱりあたしじゃ不満?なら…」
「いや、いい。」
笑われたことで、いじけたようなカエラの言葉を途中で遮る。
「お言葉に甘えて、一緒にいてもらおうか。」
「え?」
「俺と一緒にクリスマス村に行ってくれ、俺としてもお前みたいな美人と一緒にクリスマスを過ごせるのはうれしい。いいか?カエラ?」
何度目か分からない沈黙が二人を包む。
「…もちろんよ」
カエラはそう言うとリュウの手を取った。
「そうと決まったらさっさと行く!善は急げよ!」
「いやそれ使い方間違ってるだろ」
そう言うが早いか走りだすカエラ。
そんなカエラを見てリュウは思った。
(まぁ…こんなクリスマスも…あり…か)


「リュウ!早くいくよ!」
カエラが立ち止っているリュウを呼ぶ。
「ああ、今行く」
リュウはカエラに向かって走り出す。
走る彼の背中に、もうさっきまであった孤独な思い微塵も感じられなかった。
カエラにリュウが追い付く、カエラはリュウに負けじと一緒に走る。
(メリー、クリスマス)
彼はそう思い、カエラとともに出会いに対する喜びと暖かい気持ちを胸に、走って行った。




雪が降り、ある人は家族と、ある人は友人と、そして・・・ある人は大切な人と過ごすクリスマス。
メリークリスマス、あなたのクリスマスにも、幸運がありますように。





あとがき


いや~なんというか
あれです、べたな展開多すぎです
てか、自分の文才のなさに泣けます。
まぁ批判は心の中だけでお願いします^^;
最後まで読んでくださった方々、本当にありがとうございました。


それではみなさん、良いクリスマスを

ネタがないことをネタにせよ・・・?無理だって^^;

2007-11-19-Mon-23:35
こんばんは、額良です
ちょっと小説を書く前のリハビリに短編を書いて投下しようと思っています
なんというか、お題は自分でもいくつかあるのですが、ほかの人からもらったお題で書いてみるのも面白いかもしれないなぁ・・・と思ったので
お題を募集しています
とりあえず、きょうはあまり時間もないのでその後報告だけということで
それじゃあ、また

会話形式第二弾

2007-07-11-Wed-21:24
こんばんわ、キラです。
ネタがないわけじゃなくてリクエストがでたのでまた会話形式をやります。
今日は新キャラがでますよ、たぶん(死
では、参りましょう。
あ、出てくる人物はプロフィールにいるキャラがメインです。
キャラの名前は頭文字だけってことで。


キ:と、いうわけで守護騎士キラです。
額:久しぶりだな、額良だ。
キ:あれ?額良もう復帰したんですか?
額:僕の生命力はゴキブリ並みだからな。
キ:自分で言っちゃだめでしょ。。。
額:細かいことは気にするな、はげるぞ?
キ:残念ながらまだふさふさです。髪型の名前も「長髪」ですし。
額:(実は作者が面倒くさいからだなんて・・・言えないよなぁ・・・。)
キ:・・・何か隠してません?
額:気のせいだ
キ:ならいいんですけど。
額:ああ、でなんだっけ?
キ:最近の我々の状況でもを話しますか?
額:そうだな
キ:最近私はイエペペ狩りにこってますよ。
額:へぇ~・・・(手を差し出して)はい
キ:・・・なんですかその手は?
額:雷手裏剣
キ:・・・私のドロップ運を覚えておられますか?
額:・・・ごめん
キ:それはどうでもいいとして、あなたはどうなんですか?
額:んん?僕は最近ペットの散歩にこってたぞ?
キ:へぇ・・・フリーダムと?
額:うん、15レベになったからこれでようやくコントができる。
キ:そんなことのためにペットの散歩を!?
額:ああ、無駄に時間を使いすぎて自分のレベル上げを忘れてた。
キ:・・・少しはあなたの「頭の」レベルも上ればいいのに・・・。
額:・・・なんか言ったか?
キ:いえ何も
額:そうか、そうそう、そういえば最近骨龍に遊びに行ったぞ
キ:え、あのヨッシーアイランドにでてくる?
額:・・・それは「ほねほねりゅう」ね。ゲームが違う
キ:で?その骨龍がどうしたんです?
額:(あっさり流された・・・)まぁ、軽く狩ってきた。
キ:狩られた・・・の間違いでは?
額:いや、狩った、友が
キ:ふーん・・・ってあなたは!?
額:・・・僕はああいう攻撃力の高い敵を狩るさいに精神を安定に保つことが非常に難しく・・・
キ:・・・つまり、ダメージが大きいから怖くて狩れなかったんですね?
額:強調しなくていい!まぁ、そうなんだけど
キ:へたれですね。
額:ブレイブパイレーツさえまともに狩れないお前に言われたくはない
キ:(ブチンッ)・・・サンダーチャージ
額:(しまっ・・・この流れは・・・)・・・ごめん
キ:問答無用!死をもって償え!!!パワーストライク!
額:なんの!
キ:何!?
額:レベル差で勝てると思うなよ?僕はこう見えても121レベなんだぜ!
キ:で?それが?(にっこり)ホーリーチャージ
額:ちょま、なんで!?君まだ80レベでしょ!?ずるいって!!
キ:記事上では何でもありなのですよ!
額:じゃあ僕もダークロードにしてくれよ!!
作者:それは大人の事情2365番目の理由で無理です。
額:なんだそりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
キ:逝っけぇぇぇぇぇぇぇぇぇブレストォォォォォォ!!!!
額:ノォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ

作者からのお知らせ:額良は天にめされました、これにて一件落着

額:いや、まだ死んでないからっ!
キ:これでとどめだぁ!アドバンストコンボッ!!!
額:ちょ・・・ま・・・・・ギャァァァァァァァァァァァァァァァ

秘:はじめまして、額良さんのサブでクレリックです。今は名前はあかせませんが、もしかしたら、今度お目にかかれるかも知れません。ここから先は大変見苦しい映像がよぎりそうなので、これにて終わりにさせてもらいます、それではみなさん、さようなら

悪運の強い額良はその後秘蔵っ子のクレのヒールを1ヶ月間浴び続けることで完治できる程度の怪我におさまりましたとさ。
めでたしめでたし

額:ぜんぜんめでたくない・・。
秘:けが人は早く黙る!(手刀)
額:・・・・もういや・・・

          額良気絶のためこれにて終劇




いかがでしたか?なんか自虐ネタっぽくなってしまいましたが。
まぁ、楽しんでいただけたなら幸いです。
それではみなさん、See you again♪(´▽`)ノシ

初めての試み@さぼってしまってすみませn(o゚∀゚)====O)3`)・:。゚・

2007-06-24-Sun-23:17
お久しぶりです、今日は会話式で欠いてみようかとおもいます。
では、行ってみましょう。


キ:「皆さんお久しぶりです、守護騎士キラです」
額:「額良、以下同文」
キ:「あの、以下同文って・・・」
額:「どうでもいいだろう?」
キ:「・・・まぁそれはどうでもいいとして、最近完全にブログサボってましたね」
額:「福原愛の試合とか身に行ってたからな」
キ:「いや、それだけじゃないでしょ」
額:「あとは面倒くさかったってやつだな」
キ:「やっぱあんたはそれか・・・」
額:「じゃあ君はなんで書かなかったんだ?」
キ:「・・・いろいろとあったんですよ」
額:「大人の理由か」
キ:「何でそうなる!?」
額:「まぁ冗談だ、で、本題は」
キ:「ええ、最近のメイプルの問題なんですけど」
額:「チート騒動が治まったな」
キ:「一応、平穏ですよね」
額:「平和の証拠の今日の助のトモチャとかすごかったしな」
キ:「ええ、本当に・・・ってあんた言われてた側でしょ!?」
額:「ああ、むっつりだそうだ、まぁ否定したけどな」
キ:「また条件反射ですか・・・^^;」
額:「僕は紳士だからな」
キ:「紳士ならもう少し大雑把なのやめましょうよ
額:「なんか言ったか?」
キ:「いえ、何でも」
額:「そうか、ならいい」
キ:(耳が悪いやつで助かりましたね・・)
額:「そういえば最近片手剣の相場があがってるようだな」
キ:「ええ、なんだか攻撃の書で盾のがでるそうで・・・」
額:「君もここまでのようだな、今までご苦労だった、冥福を祈るよ」
キ:「ちょ、勝手に殺さないでくださいよ!」
額:「供える花は何がいいかな」
キ:「(ブツリッ)てめぇ聞けッつってんだよこの馬鹿野郎!アイスチャージ!」
額:「すま・・・僕が悪かっ・・・」
キ:「問答無用!」
バキッドカッボコボコボコボコボコボコボコボコ
額:「ギャァァァァァァァッァア」

数分後

額:「ok、あと一発で死ねる。僕が悪かった」
キ:「わかればいいのです」
額:(こいつ、多重人格並みに感情の起伏激しいな)
キ:「まぁ、そういうわけで困っているわけですよ」
額:「僕は昔からその状態だからな、まったく気にならん」
キ:「まぁ何はともあれ、今後のメイプルの状況には目が離せませんね」
額:「結構あきてきたけどな」
キ:「それを言ったら負けですよ」
額:「まぁそうだな」
キ:「ったく、そんなんだからむっつりなんていわれるんですよ」
額:「ちょ、関係ないだろ!?」
キ:「たぶん」
額:「言ってることが支離滅裂だな」
キ:「とりあえず、眠いのでそろそろ終わりにしましょうか」
額:「だな、キラがなんかおかしくなってきたしwww」
キ:「そろそろ試験が近いですからね、当分書けないかもしれませんね」
額:「なー、ぜんぜん勉強してないもんな」
キ:「前回赤点すれすれでしたからねー、まぁがんばってください」
額:「こいつも理論家だけど、僕に負けず劣らす頭が悪いんだがなぁ・・・
キ:「(ブツリ)・・・ファイヤーチャージ」
額:「・・・正直、ごめん」
キ:「チャージブロー!」
額:「ギャァァァァァァッァァァ」

その後、額良は全治1ヶ月のやけどを負ったそうな。


ってことで今日はここまで、それではみなさん
See you again♪(´▽`)ノシ

コメント返信は後日行います、続きは-思考なので面倒な方は読まないでおいてやってください




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